<日本ハム3-7ソフトバンク>◇15日◇札幌ドーム

札幌ドームで連勝を飾り、右翼スタンドに手を振るソフトバンク工藤監督の姿は何とも晴れやかだった。ゴールデンウイーク前から足踏みが続いたチームにようやく「勢い」が出てきた。左打者8人を先発メンバーに並べ、バーヘイゲン攻略に成功。プロ野球の監督にとって腕の見せどころは、中盤以降の「投手交代」と言われるが、腐心のオーダー作成もビシッと決まれば心地よいのは当然だ。

日本ハム対ソフトバンク 2回表、生還した明石を出迎える工藤監督(左から2人目)(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 2回表、生還した明石を出迎える工藤監督(左から2人目)(撮影・黒川智章)

ホークスに限らず、投手分業制が確立した今、5回までの攻防が勝敗を大きく左右する。工藤監督も「先行逃げ切りがウチの野球」と話していたが、4点差のリードを保って5回を乗り切れば、強固なブルペン陣が控え、そうそう星を落とすことはない。今季初登板となった3番手板東が石井にソロ1発を浴びたものの、終盤の失点はこの1点のみ。日本ハムも中継ぎの4投手で6回以降を無失点でしのいだだけに、やはり焦点は先発の踏ん張り、打線の早期攻略に注がれる。

今回の札幌入り直前、ロッテに引き分けに持ち込まれた12日(ペイペイドーム)の試合がよほど悔しかったのだろう。試合後の会見で指揮官は「頭が整理できていない」と言葉も途切れがちだったが、札幌からは攻撃的になった。不振の松田を先発から外し、初戦は上林、栗原にも走らせた。

日本ハム対ソフトバンク 5回表ソフトバンク無死、右越え三塁打を放つ柳田(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 5回表ソフトバンク無死、右越え三塁打を放つ柳田(撮影・黒川智章)

福岡はこの日、平年より20日早く「梅雨入り」した。疲れも出るころだが、入梅に合わせて打線を湿らすわけにはいかない。リーグ一番乗りで20勝到達。梅雨のない北の大地で、一気に波に乗っていきたいところだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】