DeNAのマイケル・ピープルズ投手(29)が、エンゼルス大谷翔平と同じトレーニングをしていた。24日に横浜スタジアムで行われた投手指名練習。キャッチボール前にピープルズが手にしていたのは、緑、黄、ライトブルー、赤、紫という5色のボールだった。これを右翼線から1~2メートルの距離にあるフェンスに投げていた。その後、ロメロも同じように投げていた。

DeNAピープルズはキャッチボールの前に、重さと色が違うボールをフェンスに投げる
DeNAピープルズはキャッチボールの前に、重さと色が違うボールをフェンスに投げる

ちょうど先週、フジテレビで、大谷が6種類のカラーボールをフェンスにぶつけているシーンを見たばかりだった。もしかして、同じでは。偶然にも、直接取材できる機会があった。尋ねてみた。

ピープルズ 2014年から8年ぐらいやっている。当時、所属していたインディアンスのチームメニューで、キャッチボールの前にやっていた。フィロソフィーというかアイデアは、米国ではやっているドライブラインを元にしている。肩、肘の状態をよくキープして、肩、肘のポジションを元の位置に入れてから、キャッチボールをするという考えが元にある。

「ドライブライン」とは、米シアトルにある、野球のトレーニング施設だ。最先端の計測機器やトレーニングを行い、昨年のサイ・ヤング賞投手バウアー(ドジャース)ら多くのメジャーリーガーが通っている。DeNAでは今永らも19年冬に訪問している。そこで考案された、トレーニング方法というわけだ。ピープルズが使っているのは、最も重いのが緑で2ポンド(約907グラム)で、最も軽いものが紫で「野球のボールと同じ」だという。

ちなみに、ピープルズがインディアンス(ただしメジャー登板はない)に在籍していたころ、バウアーも同チームに所属していた。DeNAの練習施設DOCKをバウアーが訪問したこともある。元DeNAの筒香嘉智とバウアーは、先日からドジャースのチームメートだ。いろいろなつながりがある。

5色のボールを使ってトレーニングするDeNAピープルズ
5色のボールを使ってトレーニングするDeNAピープルズ

閑話休題。科学的な練習方法を行うピープルズは25日、交流戦の開幕投手に選ばれた。「チームの成績は芳しくないが、新しい監督で、若い選手が多く、まだまだ成長の余地がある。流れは1プレーでも、1試合でも1週間でも、どのタイミングで変わるか、後にならないと分からない。明日はそうなる可能性があるので、そうなるために自分のできることをやりたい」。まるで今永のような、含蓄のある言葉をつむいだ右腕。頭の良さがにじみ出ているようで、個人的には活躍への期待が高まっている。【DeNA担当 斎藤直樹】