<ソフトバンク1-1日本ハム>◇20日◇ペイペイドーム

ソフトバンクは2戦連続の引き分けに終わった。リーグ戦再開の日本ハム3連戦は1敗2分け。2、3戦目は「勝てなかった」し「負けなかった」。試合後の工藤監督は努めて明るく担当記者の質問に対応していたようだが、ベンチで采配を振っている身としては第三者よりはるかにいら立ちはあったろう。

ソフトバンク対日本ハム 試合前練習で柳田を指導する王球団会長(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対日本ハム 試合前練習で柳田を指導する王球団会長(撮影・梅根麻紀)

試合前の練習には王球団会長の姿もあった。珍しく柳田にアドバイスを送っていた。本来の打棒からすると停滞気味の主砲のバッティングには不満も吐露したという。会話した小久保ヘッドコーチは「会長が熱弁していましたね。(柳田は)物足りないと」と苦笑いで明かした。世界の王さんのゲキに発奮したのか、柳田は5回に同点弾を放って試合を引き戻してくれたが、この1発を含めて2安打の沈黙打線では引き分けがやっとだった。

日本ハムの先発投手が左腕加藤ということもあって、2戦目にスタメン出場した谷川原、川瀬はベンチ。代わって川島、バレンティン、松田のベテランが先発メンバーに名を連ねたが効果はなかった。両軍の先発布陣を見比べると、平均年齢は日本ハム24・9歳、ソフトバンク30・8歳。ほぼ6歳の差があった。最下位に低迷する日本ハムは巻き返しを誓いながらも「次代」へのシフトチェンジを図っているのだろう。3戦連発となった浅間や1、2戦で安打を放った野村ら期待の若手が伸びつつある。

低迷する打線への特効薬はなかなか見つからない。ホークスにとっても若手起用は1つのカンフル剤になることは確かだろう。

「若者には経験がないだけで、未来への突破力は大きいんです。ベテランは経験はあるが、どうしても守りに入る」。そう言ったのは常勝の礎を築いたダイエー根本監督だった。チームは1週間のロードに出る。何とか「流れ」をつかんでもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】