最終回を締めた守護神のもとに、ナインが集まりタッチを交わす。阪神ロベルト・スアレス投手(30)を中心とした光景は、前半戦首位を走ったチームの勝利のお決まりとなった。

あらためて、ここまでの数字をじっくり見直してみた。ここまで登板36試合で25セーブを挙げ、リーグトップを独走。4月25日DeNA戦で防御率0・90と0点台に突入してから、6月末まで約1カ月の間、0点台をキープ。一時は0・35と驚異の数字まで到達した。

やっぱりすごいのは、登板した試合で黒星を喫したのが、わずか1つだけということ。チームもスアレスが登板した36試合でチームは31勝3分け2敗。ここまでスアレスが複数得点を許した試合は1試合だけ。総失点はわずか7(自責6)。さらに複数安打を許した試合は5、被本塁打は0。安定感を越えて、安心感さえ漂わせている。

「守護神」の称号がふさわしいのは、数字だけではない。登板後のスアレスのコメントには、「みんな」「チーム」というワードがよく入っている。

「みんな大変な、うまくいかなかった部分もありますけど、チームが勝ったというのが大きいですし、そういう意味では、最終的に自分が投げて勝てたという意味では大きいと思う。勝ったというのが大きいんで、そこが良かったと思います」。

これは5月28日西武戦登板後のスアレスのコメント。打ち合いとなった試合で最終回を無安打無失点に抑え、チームは10-7で勝利。そんな状況の中、スアレスはそれまでに打ち込まれた投手陣を気づかい、懸命に言葉を選んでコメントしたという。

ポーカーフェースと、チーム思いの温かい心を持つ守護神。後半戦も白星を何度も守ってくれるはずだ。【阪神担当=磯綾乃】