宮崎に青空が戻った。ソフトバンクは練習マッチ3試合目。西武に1勝1敗で、24日はロッテとの対戦だった。試合前、サブ球場でB組の打撃練習を見ていたら、ロッテ井口監督がメイン球場から早足でやってきた。青学大の先輩でもある小久保2軍監督にあいさつを交わすと、ニヤリと笑って話しかけてきた。「(キャンプ地の)石垣島は雨ばかりでしたよ。晴れた日は2日くらいでしたかね。まあ、でも練習はしっかりできたと思いますよ」。昨年はあと1歩のところでリーグVを逃しただけに、今季にかける思いも強かろう。BクラスからV奪回を目指すホークスにとって、要注意のチームである。

試合は序盤の大量失点が響き5-10と完敗した。昨年こそシーズン12勝10敗(3分け)と対ロッテに勝ち越したものの、19、20年は2年連続で負け越し。3年間の成績は31勝39敗(4分け)と5球団の中で最も苦しめられている。この時期の練習マッチが今季を占うことにはならないが、若手の躍動感からしてどうもホークスに物足りなさを感じてしまう。福岡に戻った3月4日からはオープン戦でロッテとの3連戦(ペイペイドーム)が組まれている。ロッテとは開幕2カード目で激突するだけに、この3試合ではさすがに勝敗にもこだわってもらいたいものだ。

9回表ソフトバンク無死二、三塁、野村大樹は左前に適時打を放つ(撮影・梅根麻紀)
9回表ソフトバンク無死二、三塁、野村大樹は左前に適時打を放つ(撮影・梅根麻紀)

敗戦ゲームだが、最後に光明もあった。9回裏に井上、川瀬の連打などで無死二、三塁の好機とした。打席には4年目の野村大が送られた。5球ファウルで粘って最後は内角球を鋭く左前にはじき返すタイムリー打。「めちゃくちゃ緊張したけど、ものすごく楽しかった。絶対に打ってやろうと思っていた」。右の代打として藤本監督も期待する男の一打には高校(早実)の大先輩でもある王球団会長も目を細めたに違いない。「(先頭打者の)井上も打ちましたし、気合が入りました」。いよいよキャンプも残り4日。試される若鷹たちは、もっともっとギアを上げてもらいたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

9回表ソフトバンク無死二、三塁、野村大樹は左前に適時打を放つ(撮影・梅根麻紀)
9回表ソフトバンク無死二、三塁、野村大樹は左前に適時打を放つ(撮影・梅根麻紀)