<ソフトバンク4-0ロッテ>◇14日◇ペイペイドーム

打線の活性にはまだまだ注文はあっても、白星は何よりの良薬だ。ソフトバンクが3戦連続0行進をストップさせると、連敗も2で止めた。「打ち勝った」とは言いがたいが、初回に先制の2点。終盤8回にも四球をきっかけに2点を追加。長いシーズンを考えれば、豪打で勝てる試合はそんなに多くない。チャンスを確実にものにするしぶとい攻撃は、今後の1つの指針ともなったのではないだろうか。試合後、藤本監督は「泥臭く」と表現していたが、連打やホームランはおまけのようなもので、攻撃の基本はやはり泥臭くなのだと思わせる一戦であった。千賀の前に淡泊な攻撃に終わったロッテ打線も象徴していたように思う。

これで今季のロッテ戦は4勝1敗。記録をめくっていたら、この日の白星は何ともメモリアルな1勝だった。ホークスの対ロッテの通算勝利が900勝目だった。対オリックスの918勝に続き、2球団目の900勝到達だ。対ロッテの通算成績は900勝855敗(66分け)。苦手と思っていたら、なんと45勝も勝ち越しているではないか。

V争いを言うには時期尚早だが、ホークス以外の5球団は開幕からどうも波に乗れていない。コロナ禍が影響してチームのバランスを欠く不運もあるが、選手層や投打の充実度はホークスが優位だろう。連敗を脱出し、ここは一気に連勝街道を突っ走りたいところだ。

上昇機運にチームが乗れるか-。打線でカギを握るのは、新外国人ガルビスの起用法ではないだろうか。開幕戦の劇的グラウンドスラムがあり、メジャー通算109発の実績もある。だからこそ、打撃開眼に首脳陣も期待を寄せているのだろうが、今の状態ではその気配は感じられない。16日から北九州、鹿児島を経て大阪、札幌の長期遠征。藤本監督には決断のロードとなるのではないだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】