<日本ハム2-0ソフトバンク>◇14日◇札幌ドーム

「梅雨」がないと言われる北海道でソフトバンク打線が湿ってしまった。2戦連続の0行進。「打線は水もの」と言われる。悲観的になることはなかろうが、この2試合で計16回あった「1、2番打者」の打席で、出塁は初戦の牧原大の内野安打と、この日8回に四球を選んだ今宮の2度だけ。上位打者の出塁が減れば、得点率も落ちるのは当然だが、絶好調からの連敗だけに歯がゆさは残る。

日本ハム対ソフトバンク 1回表、捕邪飛に終わる三森(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 1回表、捕邪飛に終わる三森(撮影・黒川智章)

札幌入りした12日、親会社であるソフトバンクグループの22年3月期の決算発表があった。最終損益は1兆7080億円の赤字。昨年の同期は、国内企業では過去最高となる4兆9000億円超の黒字だった。この1年間で、約6兆7000億円の大減少。今後の経営戦略について会見した孫正義会長兼社長は「徹底して守りを固める」と話した。

グラウンド上と単純に比較はできないが、大型連勝後の連敗。「水もの」だけでなく、状況回復への現状認識も必要になる。7連勝の前は4連敗だった。藤本監督は「泥臭い1点を取りに行く」と言い続け、打線は好転し始めた。ただ、7連勝中には少しばかりこのフレーズのトーンが落ちていたように感じた。苦杯をなめたこの日の試合後、藤本監督は「(日本ハムが)少ないチャンスをものにできただけ」と割り切った。

日本ハム対ソフトバンク 6回裏、投手交代を告げる藤本監督(撮影・黒川智章)
日本ハム対ソフトバンク 6回裏、投手交代を告げる藤本監督(撮影・黒川智章)

初戦の試合前。日本ハムの打撃練習を見た監督付アドバイザーでもある金星根(キム・ソングン)コーチの言葉が印象的だった。「(日本ハムは)開幕の時より打者の振りが強くなっていますね」。警戒は、緩めるわけにはいかない。【佐竹英治】