<西武2-3ソフトバンク>◇18日◇沖縄セルラー那覇

スタンドに響き渡る指笛の音色も心地良く聞くことができたのではないだろうか。ソフトバンク三森が長いトンネルを脱出し、バットでチームの勝利に貢献した。

プレーボール直後の先頭打席。1ボールからの2球目。西武先発隅田の146キロの直球を鋭く右前に運んだ。実に7試合28打席ぶりの「快音」だった。7日のロッテ戦(ZOZOマリン)の1打席目に本塁打して以来のヒット。千葉~宮崎~福岡~札幌、そしてようやく沖縄の地で息を吹き返した。1番打者として責任を痛感していただけに、三森にとっては再浮上の一打となった。2番今宮がエンドランを決めて一、三塁。柳田は三振に倒れたが、4番グラシアルが中前に運び先制した。同点とされた直後の7回表。先頭打者で三森は2番手水上から中前にはじき返し10試合ぶりのマルチ安打を記録。今宮の犠打で二進すると柳田の中前適時打で快足を飛ばしてホームイン。決勝点を呼び込む一打となった。

ゲームセットの瞬間、三森はマウンドに駆け寄ってモイネロとハイタッチした。トレードマークともなりつつある口ひげも蓄えたままだ。「本当は開幕前にそろうと思っていたんですけど、(打撃の)調子もいいこともあったし、(夫人が)『似合っている』と言ってくれたんで」。快音が止まるまで3割1分1厘あった打率は2割7分2厘まで下がってしまったが、再浮上へ大きな手応えとなる2安打。「今日は1打席目にヒットが出てすごく気持ちが楽になりました。また次の試合からも1打席1打席集中して頑張ります」。三森にとって自信回復の沖縄の夜となったはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】