どん底だった虎がついに反転攻勢に出た。6月に入って14勝5敗1分け、勝率7割3分7厘とハイペースで借金を返済。借金4と5割復帰も見えてきた。

チームの得点は5月の63点から、6月はDeNA3試合を残してここまで98点。好調の要因は明らか。打線の固定だ。6月1日西武戦(甲子園)から3番近本、4番佐藤輝、5番大山の並びが本格的にスタート。ドラ1トリオが軸になって打線が目覚めた。

井上ヘッドコーチが強調するのが3番近本の存在だ。「1番を打ってきた人間だけど、3番の自覚を持って、3番にもマッチしている。チカを3番から外すのは逆に言えば一番考えられない。大山を4番にテルを4番から外すとか言うよりも、近本を3番というポジションから外すのが一番考えられない」。自己最長の23試合と連続試合安打を継続中。6月の月間打率3割8分6厘と打ちまくり得点力アップの原動力になっている。

中軸がどっしりとすれば打線が固まってくる。阪神は今季開幕からここまで63通りと「猫の目オーダー」を組んだが、6月以降は1番~6番まではほぼ固定メンバーで戦っている。井上ヘッドも「キャッチャーも変わるし、考えてながらになるけど、その中で80%、90%のメンバーは決まりつつある」と手応えを感じている。夏本番を迎える虎に上昇気配が漂う。【桝井聡】