<ソフトバンク7-3楽天>◇5日◇ペイペイドーム

ソフトバンクの勝負の「8月戦線」は何ともつらい北紀行から始まった。BIGBOSS率いる日本ハムに北の大地で2敗1分け。前夜(4日)は3点を追いつかれ4時間57分の超ロングゲーム。延長ドローの徒労感いっぱいの中、チームは空路福岡に戻ってきた。負の流れを何とか断ち切りたい…。藤本監督のみならず、ナインも睡魔に襲われつつ、そんな思いで福岡に戻ってきたことだろう。

故障禍にコロナ禍。ダブルパンチの災禍は正念場の夏を迎えてもチームに降りかかる。シーズンはアクシデントの多少だけでなく、好不調の波も必ずあるもの。だから、泣き言は言いたくても言えないのだ。ゲーム終盤がベンチの責任なら、シーズン終盤の戦いはさらにその重責がのしかかる。

本拠地ペイペイドームに戻っての楽天3連戦。ホークスは初戦を取った。北海道での連敗を2で止め、楽天と入れ替わって2位に浮上した。初回、楽天の走塁ミスなどに助けられたものの、直後にデスパイネ、松田の適時打などで2点を先制。1点差の5回にはデスパイネが2ランを放つと、6番中村晃が6月17日の楽天戦(ペイペイドーム)以来となる3号ソロの連続アーチで中押しした。「打ったのは真っすぐ。いい流れの中で打席に入ることができました。気楽に打つことできた結果、ホームランにつながったと思います。デスパイネに続くことができて良かったです」。中村晃はそう広報にコメントを託すと、7回1死からも右中間への当たりで果敢に二塁へ滑り込みダメ押し点の起点となった。脇腹痛で7月11日に戦列を離れ、球宴後の同29日にチームに戻った。離脱の悔しさもさることながら、チームの窮状に何とか貢献したい、という思いは人一倍のはず。開幕から自身の打撃は試行錯誤を繰り返してきたが「迷走」の時間は残されていないことは中村晃自身が一番、自覚しているはず。初回にも四球を選んで2点目をアシスト。寡黙なバットマンの復調はチーム浮上の絶対条件だろう。【ソフトバンク担当 佐竹英治】