中日大島洋平外野手(36)が念願のタイトルを射程圏に入れている。

30日のDeNA戦(横浜)を終えて打率3割2分1厘。令和初の3冠王に向け注目されるヤクルト村上を1分8厘差の2位で追い掛けている。

「相手の数字を見てもしょうがない。とにかく自分の数字を上げられるように。それが自然とチームの勝ちにつながる」

チームは6位に沈んでいるが、30日を終えて3位阪神とは4・5ゲーム差。野手キャプテンとしてクライマックスシリーズ進出へフォア・ザ・チームを貫き、一打者として初の首位打者をにらむ。

ここまで死球や新型コロナウイルス感染による離脱もあり、打席数371は現時点の規定数360をほんの少し超える程度。安打を量産すれば、打率が急上昇する可能は十分にある。「意識していないわけではないけど、まだまだ30試合近くある。1試合1試合意識しながらやっていくしかない」。

通算2000安打までも残り143安打。例年のペースを考えれば来季での達成も視野に入ってくる。大学から社会人を経てプロ入りし、名球会入りした野手は、元ヤクルトの古田敦也氏、宮本慎也氏、元中日の和田一浩氏の3人だけ。「練習は次の日のためではなく、その先にある。すぐに結果を求めるのではなくて、3カ月先くらいにやっと生きてくると思ってやってきたから続けられている」。18年に引退し、中日では最後の2000安打を達成した荒木内野守備走塁コーチから学んだ姿勢を守る。

プロ13年目。最多安打2度の36歳ベテラン安打製造機が、22歳の3冠王候補に重圧をかけている。【中日担当 伊東大介】