西武高橋光成投手(25)がエースとして頼もしさを増している。

防御率2・20、勝ち星12、投球回175回2/3は、いずれもリーグ2位。高いレベルで安定した成績を残している。

完投こそない。打者を圧倒するような投球スタイルではないが、高い総合力で試合を作る能力にたける。最短でマウンドを譲ったのは5回まで投げて2失点だった6月24日楽天戦。25試合の先発のうち、実に23試合で最低でも6回までは投げきる。クオリティースタート(6回以上、自責3以内)は21試合だ。ランナーこそ出しても大崩れする姿が浮かばない。インコースにも気後れせず、投げきれる。「そこの精度も前年に比べて、自信をもって放れる」。風格も漂ってきた。

夏、高橋はエース論について、こう言っていた。「難しいですね」と前置きしてから続けた。

「周りが言うというか、周りが認めるピッチャーだと思う。みんながこいつなら任せられるとか、こいつで勝てなかったらしょうがないと言ってもらえるような投手のことだと思います」

苦しい時にも頼もしかった。9月20日楽天戦ではチームの連敗を7で止める8回1失点の好投。CS進出に負けられなかった27日ソフトバンク戦でも7回1失点で自己最多となる12勝目をマークした。

辻監督も成長に目を細める。「光成はここ数試合ずっと、内容ももちろんだけどね、エースの自覚というか、絶対に抑え込むんだという気持ちが非常に出ている。本当にエースらしくなってきたなって気がしますよ」。

投げる姿には安心感がある。「エース」という肩書。もう、それがしっかり似合う。【西武担当=上田悠太】