DeNAは、今年のドラフトで大阪桐蔭・松尾汐恩捕手を1位で単独指名に成功した。9球団が事前に1位指名を公言する中、非公表を貫き、三浦大輔監督(48)は昨年の小園に続き、2年連続で意中の選手を獲得した。「昨年に引き続き、今年も一番評価の高い選手を獲得できたので良かったと思います」とご満悦だった。

ドラフト会議に臨むDeNA三浦監督(代表撮影)
ドラフト会議に臨むDeNA三浦監督(代表撮影)

笑顔の裏側には、家族の愛が詰まった「幸運の5円玉」の存在がある。ドラフト会議当日、起床した三浦監督の目に飛び込んだのは、机の上に置かれたピカピカの5円玉だった。「(松尾と)“ご縁”があるようにということで」。前夜、妻と長女が磨き、用意してくれたものだった。5円玉を手に昨年と同じ神社で祈願し、願いをかなえた。

三浦監督は現役時代から、登板前に験を担いだり、独自のルーティンは特になかった。現に、ドラフト会議当日は昨年と違ったスーツ、ネクタイを着用し、運命の1日に臨んだ。愛する家族からのサプライズで背中を押され、思惑通りに松尾を獲得し、三浦監督は「(5円玉の)効果があったと思います」と妻と長女に感謝した。

ドラフトでは、指名される選手はもちろん、指名する側の球団関係者にもドラマがある。印象深いのは、13年ドラフトで森友哉(大阪桐蔭)を獲得した西武の願掛け。当時の鈴木葉留彦球団本部長が「森、いいぞ。森、いくぞ」の願いを込め、ドラフト会議前夜の食事会で焼酎「森伊蔵」を用意した。来年は、どんなドラマがあるのだろうか。【DeNA担当=久保賢吾】

DeNAから1位指名を受け3年生のチームメートから胴上げされる大阪桐蔭の松尾(撮影・加藤哉)
DeNAから1位指名を受け3年生のチームメートから胴上げされる大阪桐蔭の松尾(撮影・加藤哉)
DeNAから1位指名を受け「I☆YOKOHAMA」のタオルを手に笑顔を見せる大阪桐蔭の松尾(撮影・加藤哉)
DeNAから1位指名を受け「I☆YOKOHAMA」のタオルを手に笑顔を見せる大阪桐蔭の松尾(撮影・加藤哉)