中日福谷浩司投手(31)がナゴヤ球場での秋季練習中に思いがけない発言をした。「言葉で言い表せないけど、近い言葉で言えば『終活』のつもりでやっている」。来季へ向けての意識を聞かれたときの発言だった。

福谷は21年の開幕投手を務めた。今季も大野雄、柳、小笠原に並ぶ先発陣の軸の1人を期待されたが、結果を残せなかった。5試合1勝3敗、防御率9.00。「ふがいなかった。自意識過剰かもしれないけど、自分がもっとやっていれば(チームが)最下位にはならなかったと思っている」と表情を曇らせた。故障が原因ではなく、2軍では15試合に登板した。「つらいこそ、たくさんの学びはあった。それをどう次のシーズン、今後の人生に生かすか」。

そこで『終活』だった。言葉を続けた。「今日やれることにベストを尽くすとずっと言っているけど、本当にできたのか。立場的にも年齢的にも成績的にも今年で終わりかもなぁ、と思ったときもシーズン中にあった。あと1年あるとしたらどう過ごすか、この1年でもう終わり、だったらどうするという話」。来季に進退をかける、という意味ではない。

いつでも満足したままユニホームが脱げる。それだけの達成感を感じ続けたい。彼が話す『終活』をそういう意味と、とらえた。

福谷は、11月からの沖縄秋季キャンプに投手12人の最年長として参加する。メンタル部分、体力部分の強化を図りながら汗を流す。日々の達成感を感じながら、来季に臨む『終活』中の右腕をしっかり追いたい。【中日担当=伊東大介】

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