日本ハム万波中正外野手(22)は今オフ、米国へ単身武者修行に出かけた。12月4日から約1週間、打撃向上を目的に「秘密の特訓をしてきました」。海外へ行くこと自体が人生初。「ハプニングが、いっぱい起きた」と、その道中を振り返ってくれた。

出発時からドタバタしてしまったという。「最初の荷物検査で化粧水とかが、超はじかれまくって。こっちの(機内へ持ち込む)カバンに入れちゃダメなんだとか、いろんなことを学びました」。液体物の機内持ち込みのルールに引っかかってしまったそうだ。

帰国時も、すんなりと飛行機に搭乗できなかった。「完全に僕の認識不足。(帰国時に)必要な作業が1個、完全に抜けていて。それをしていないと飛行機に乗れないですよって言われちゃって。結構、空港でお叱りを受けながら…お叱りというか『いや、マジで無理なんで』って。『すいません』と」。本来はその日の最終便で帰国の予定が、翌日便へ振り替え。「次の朝まで、どうにかこうにか時間をつぶした」という翌朝便も約2時間半の遅れ。最後は無事に帰国できた。

すてきなハプニングもあった。「僕が行った施設に日本人の方もいらっしゃって、その人が街をいろいろ案内してくれた」。ある日は、夜景の穴場スポットに連れて行ってもらったという。「本当に人生で一番きれいな夜景を見ました」。しかも「たまたま地元も(万波と同じ)練馬で。なんかすごい偶然の連続だったですね」。奇跡のような出会いを、笑顔で振り返った。

もちろん、練習も充実。訪問した施設では「しっかり体を回すことの重要性や自分ができていない動きを、すごい明確にできた。いろいろ機械で測定したりして、正確に知ることができたのが一番大きい」と、収穫があった。改善したかった「肩が下がってバットが下から出る」という悪癖を矯正すべく、現地で得た知見を今オフの取り組みに生かすつもりだ。

さらに、その施設ではメジャーリーガーとも遭遇。「ムーキー・ベッツが目の前にいるってヤバくないですか?」と、ドジャースのベッツと出くわして感動。声はかけられなかったが、見ているだけで「超刺激を受けました」と、かけがえのない時間を過ごした。

酸いも甘いも経験した初渡米は「本当に、いい人生経験になった」。米国単身武者修行の成果を、来季の完全覚醒へつなげてほしい。【日本ハム担当=木下大輔】