阪神近本光司外野手(28)の鹿児島・沖永良部島自主トレが最終盤にさしかかっている。10日に空路で入島。天候に恵まれない日もありながら順調にメニューを消化しているようだ。

今年で3年目。サポートするスタッフの中には、自主トレにおいて欠かせない打撃投手がいる。島のスポーツクラブ「Elove」のスタッフ、南山浩人さん(25)だ。近本が初めて同島を訪れた21年から、トレーニングのためスポーツクラブ内のジムを使用。そこから縁が続いている。

南山さんは沖永良部高で投手兼捕手として活躍した元高校球児。プロ野球選手相手に投げ込む貴重な経験に感謝しながら「3年目になって練習は慣れてきました。サポートがより充実できるようにしていかないといけない」と引き締める。 「毎年来てくれてありがたいです。近本さんのハードな練習に応えられるように“完投”できるように頑張ります!」。期間中はほぼ毎日の投げ込み。肩肘の張りに幸せを感じる日々だ。

南山さんは今もクラブチームでプレーする。昨年7月には沖永良部島・知名町の代表として奄美群島の大会に出場。抑え投手としてベスト4入りに貢献した。ガッチリとした体形と濃い顔から、相手チームには「(西武の)平良海馬みたい」と言われたこともある。

近本にそのことを伝えると大爆笑したとか。「近本さんと接すれば接するほど、他の人と変わらない、近所のお兄ちゃんみたい」。近本も「ヒロト」と呼ぶ弟分が、沖永良部島で欠かせない「チーム近本」の一員となっている。

「近本さんが島に来るようになって、毎年開幕戦から試合を見てるんです。打ってくれ、打ってくれ。調子が崩れたどうしよう…と。僕のボールが悪かったとならないようにしっかり投げないといけないですね」。シーズン200安打に再挑戦する23年。沖永良部島の人々の思いも背負い、近本はバットを振り続ける。【阪神担当 中野椋】

阪神近本に投げ込む南山浩人さん
阪神近本に投げ込む南山浩人さん
阪神近本の沖永良部島自主トレをサポートする南山浩人さんは平良海馬似?(撮影・中野椋)
阪神近本の沖永良部島自主トレをサポートする南山浩人さんは平良海馬似?(撮影・中野椋)