ソフトバンクの宮崎キャンプは2度目の雨となった。A組は午前中にアイビースタジアムに隣接する室内練習場で汗を流した。全体アップを終えると、報道陣やファンの入場をストップさせてサインプレーを約1時間。実戦モード突入に向けたチームプレーの確認に入った。

「厳しさ」をテーマにした今キャンプだが、V逸に泣いた昨年の反省点は、攻守両面でのチーム戦術の弱さもあった。同率で並びながら、直接対決で10勝15敗と5つの負け越しを喫したオリックスに優勝をさらわれた。大型補強でV奪回を狙うホークスにとって「緻密さ」は看過できないキーワード。「あの1点」「あの1球」…。1つの進塁を許したことが致命傷になったこともあれば、1つ先の塁を奪えなかったことで星を落としたことも少なくない。宮崎での鍛錬の日々は2週間過ぎたが、個々の強化に比べてチーム戦術練習は思ったより少なかった。

打撃練習を行う三森(撮影・屋方直哉)
打撃練習を行う三森(撮影・屋方直哉)

サインプレーが終わると、打撃練習が始まった。「不動」の姿勢で快音を響かせていたのはリードオフマン最右翼の三森だ。バットを左肩にかつぐように構えると、一瞬のテイクバックからボールへ最短距離でバットを振り抜く。投手との間合いで体が動くのは、テイクバックからスイングまで。昨春から実践している打撃スタイルだ。

「打者はやっぱり受け身。自分からタイミングを合わせようとして、足や腕を動かすより、来た球をスパッと打つほうがいい。タイミングは体の中で計っています」

三森は今季からグリップエンドに右手小指をかけるように変えた(撮影・屋方直哉)
三森は今季からグリップエンドに右手小指をかけるように変えた(撮影・屋方直哉)

今キャンプから、ヘッドがさらに走るようにグリップエンドに右手小指をかけた。背番号を「13」に変え、7年目の今季は長打力も備えた「1番打者」として150安打、15本塁打、30盗塁を目標に据えている。「積極的に打ちに行くタイプ。四球というより安打と長打率を上げていきたい」。シーズンを通してこの男が1番固定となれば、攻撃性は厚みを増す。プラス、チーム戦術の緻密さの追求。V奪回への視界はさらに広がるはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】