中日鈴木博志投手(25)が開幕ローテーション入りへ歩みを進めている。19日のキューバ代表との練習試合に先発し、5回61球を投げ、5安打1失点。15個のアウトのうち、1個の三振以外すべてをゴロで打ち取った。

「自分らしさが出せた。内角に厳しくいこうとやった中で、ゴロアウトが取れた」。右腕は、満足げな表情を見せた。

鈴木は17年ドラフト1位で入団。2年目まで4勝18セーブ、18ホールドと、リリーフとして経験を積んだ。制球難もあり、20年途中からサイドスローに挑戦するなど模索。昨年からはフォームを戻し、先発転向にかじを切っていた。昨季は先発として2試合登板に終わったが、フェニックスリーグなどで実績を上げて今季に臨んでいた。

キューバ戦では、初回に元ソフトバンクのデスパイネに先制タイムリーを許したが、その後は強打者たちを封じた。150キロ近い球速を持つツーシームが効果を発揮した。立浪監督も「持ち味の右バッターのインコース、左バッターに食い込んでくるカットボール。そのバランスが良かった。初回に点を取られたけど、いいピッチングしてくれた」と、合格点を与えた。

「先発」鈴木をさらに後押しするのが野手とのコミュニケーション。「ゴロアウトはすごく楽しい。中継ぎの時は、自滅したり、たまに三振取ったり。あっという間に(出番が)終わったとかある。イマイチ野手と野球をできている感覚がなかった。いまは野手に声をかける。『ゴロ行くよ』とか、すごく楽しい。それが持ち味。ゴロは特別な思いがある」。走者を背負っても、野手との共同作業でアウトを積み上げる野球を満喫している。

中日先発陣は、エース大野雄、柳、小笠原の3本柱に、今年からは通算154勝のベテラン涌井が楽天から加わった。侍ジャパンに招集中の3年目高橋宏が続き、昨季6勝の松葉も控える。ドラフト1位仲地礼亜投手(22=沖縄大)、21年開幕投手の福谷、勝野らも。竜投の先発ローテーションはまさに戦国模様だ。「そこしか目指していない」。リリーフ時代とは違う輝きを求めて、快速右腕は突き進んでいる。【中日担当 伊東大介】