阪神ドラフト5位戸井零士内野手(18)はストイックな男だ。

入寮直後の新人合同自主トレから毎日室内で打撃など自主的にトレーニングを行っており、現在も「夜は絶対に室内とかウエート行ったりして、なんらかのトレーニングをやったりしている」と、積み重ねを継続している。取材したこの日もデーゲーム終了後、空が暗くなりかける午後5時45分頃までウエートなどの自主練習をやりきった。

目標へ一直線に努力を重ねる18歳。野球一筋なその姿に、休日には何をして過ごしているか気になった。「朝はゆっくり寝て。遊びに行くとかは全然ないですね(笑い)」。主将として66人をまとめた天理高時代には「なおさら、遊びに行くとかないです。もうずっと室内(練習場)」。1年秋からベンチ入りし、高校通算13本塁打を放った実力は文字通り「野球漬け」の日々で培われていた。その愚直な姿勢に先輩らからは「よく趣味見つけろとか言われます」と笑顔で明かした。

全集中で野球と向き合う日々。現在は「打撃の力強さ」をテーマに技術を磨く。「空振りでもいいんで、スイングが速いとか、そう思われるようなバッターにになること。結果というか過程を大事にしてやっていきたい」。

今季開幕戦で始球式も務めたランディ・バース氏(69)や天理高の先輩にもあたる関本賢太郎氏(44)らがつけた背番号44を引き継ぐ。野球に対して真っすぐな姿勢で、偉大な背中を追いかける。【阪神担当=波部俊之介】