高卒2年目の阪神中川勇斗捕手(19)は、1軍の世界に驚きの連続だった。5月30日に同期入団の前川右京外野手(20)とプロ初昇格。練習ではブルペンに入り、中継ぎ、先発投手問わず、球を受けていた。この日は1軍生活4日目。「1軍で投げる投手を毎日受けているけど、球筋や球の強さも初めての経験。レベルの高さを感じています」と充実した表情を浮かべた。

尊敬してやまない先輩からも吸収していく。指名あいさつの時からずっと、坂本誠志郎捕手(29)を憧れの選手として挙げている。「捕手のことは全て聞きたい」。実際、間近で坂本のプレーを見て、改めて自分に足りないものや、気づきもあった。「1試合にかける思いがすごく高い。配球面、打者の傾向もすごく敏感ですし、投手とコミュニケーションをたくさん取っている。信頼されるキャッチャーだと見ていて感じます。今は無理でも、超えていかないといけない存在です」。

隙あらば、背番号12の細かい所まで観察。プレー面はもちろん、投手とのコンビネーション面でも収穫ばかりだ。「先輩方は試合で忙しいので、迷惑はかけたくない」という背番号68。自分で考え抜いて、技を盗んでいく。

首脳陣からキャッチングや強肩、パンチ力のある打撃の評価も高い。春季キャンプでも、岡田監督から「打撃いいな。小力がある。使えるかも」と評価されていた。「自分で見て学ぶしかない。元気よくはつらつにプレーしたいです」。ステップアップへ、中川が貪欲に技術を磨く。【阪神担当 三宅ひとみ】

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