ロッテ西村天裕投手(30)が、あごをさすりながら笑った。

「スッキリしちゃいました」

日本ハムからロッテにトレード移籍して迎えた23年シーズン。中継ぎとして球団記録タイ「21試合連続無失点」の記録を達成するなど、「防御率0・00男」は首位と好調なチームの力になってきた。4月上旬から験担ぎの意味を込めて伸ばしてきたヒゲ。だが、10日の広島戦(ZOZOマリン)でまさかの失点。「22」の球団単独トップを目前に途切れた。

佐々木朗希投手も、登板前などに触って“御利益”にあやかっていた西村のヒゲ。翌11日の試合前には消えていた。

「家で自分で剃ったんですけれど。思い切れずに少し残して…。短く整えた感じ。でも朝、球場に来たら坂本(光士郎投手)に『何、中途半端に残してんねん』って、きれいさっぱり剃られました」。

10年の小林宏、和歌山商の先輩でもある12年の南昌輝の「開幕から18試合連続無失点」の球団記録は超えた。「開幕から」の条件を外した松永昂大(現ロッテ育成投手コーチ兼2軍投手コーチ)の「21試合連続無失点」には並んだ。

「もう験担ぎのヒゲはやらないですけれど、ヒゲははやそうかなと思います。きれいにそろえながら」。

以降、「ヒゲなし西村」の登板は、まだない。記録の肩の荷もおり、あごも軽く。西村は「チームが勝つために投げるだけです。記録はもういいです」。ちなみに「連続試合無失点」の最長記録は、西武平良海馬投手の「39」ですよ、西村投手!【ロッテ担当=鎌田直秀】

ヒゲがあるロッテ西村天裕(2023年6月5日撮影)
ヒゲがあるロッテ西村天裕(2023年6月5日撮影)