ソフトバンクは、また「悔しさ」を内包してのリーグ再開を迎えることになった。交流戦はホークスを含め11勝7敗で4球団が並んだが、TQB(得失点差率)の差でDeNAが初優勝となった。あと1勝、いや、あと1点あれば…。悔やみきれないV逸。昨年のリーグ最終戦となった10月2日のロッテ戦敗退ではないが、何とも歯がゆいセ界戦の閉幕となった。

「そりゃ、やっぱり悔しいですね」。選手会長の今宮は言った。ただ、気持ちはペナントレース残り82試合に向いているようでもあった。この悔しさをこの秋までチーム全体が肥やし続けることができるだろうか。マジック1としながら優勝を逃した昨秋の千葉の夜。藤本監督は野球人生で初めて「目から変な汁が出た」と言っていた。もうすっかり枯れた涙だが、交流戦V逸の悔しさも重ね合わせて今年こそ、歓喜の秋を迎えてもらいたいものだ。

リーグ再開を2日後に控えた21日、ホークスの親会社であるソフトバンクグループの株主総会が都内で行われた。孫正義社長は今後のグループ方針をこう表現した。「反転攻勢へ」--。資金調達のために守りを固めると、この半年は静観の姿勢だったが、5兆円に及ぶ資金獲得も得て、さらなる投資への「攻撃姿勢」を見せていた。最も力説したのが「人工知能(AI)」への投資。近い将来、AIは全人類の英知の1万倍を超えると断言し、積極的に同ビジネスへ注力する考えだ。AI関連で自らこの1年間で約630件の発明をしたと明かしていただけに恐るべし熱量だ。

「反転攻勢」の号令は本業の「命運」を握るだけにホークスV逸の悔しさどころではなかったろう。チームもうかうかしてはおられない。しかし、AIが采配を振る日もやってくるのだろうか…。そう考えると何とも恐ろしい気もしないでもない。シーズン前から「ユウショウシマス」なんて電子音でピシャリと言われてもなあ。そう考えると「アレ」発言の方が何とも人間味があっていいような気もしてきた。【佐竹英治】