旧友ほど、最高の好敵手にふさわしい存在はいないだろう。「サニブラウンに勝った男」として知られる球界屈指の韋駄天(いだてん)、日本ハム五十幡亮汰外野手(24)が、同リーグで最も負けたくない捕手は、中大の1学年後輩にあたる西武古賀悠斗捕手(23)だ。2人の“初対決”は、8月10日西武戦(エスコンフィールド)だった。ここで言う“初対決”とは、走者が次の塁を盗むこと。6-3の9回2死。内野安打で出塁した五十幡は果敢に二盗を仕掛けたが、古賀の二塁送球の前にアウトとなって悔しがった。

“初対決”に敗れた五十幡の表情は、意外にも爽快だった。「あいつ、マジでウザいっす」と苦笑しながら「初球から行ってやろうって強い気持ちだったけど、その辺の駆け引きは、もっと勉強しないと」。チームが勝ったこともあるだろうが、プロの世界で実現した後輩とのガチンコ勝負を心底、楽しんだようだ。

大学時代、2人は一時、同じ部屋で暮らした。五十幡が2年生、古賀が1年生の時だ。いわゆる“部屋子”だった古賀について、五十幡は「野球の話しもそうだけど、いろんな話しをしました。野球の時以外は、おちゃらけていて、うるさいです(笑い)」。古賀のプロ入りが決まると「真っ先に『イソ(五十幡)さんと勝負したいです』って言ってくれた」。再び同じチームでプレーする姿を想像したこともあったが「一緒のチームだったら心強いですけど、敵として対戦する方が気持ちがたかぶる。モチベーションが上がります」。プロ2年目でチーム最多のマスクを被る後輩の姿から、大いに刺激を受けている。

「『いい配球をするな』って、いろんな選手から聞きますし、(ボールを)捕ってからも(送球までが)速い。送球も強くて、捕手として素晴らしいと思います」と後輩をたたえた上で「プロで初めて対戦してアウトにされたので、次はやってやろうと。これから、どんどん勝負できれば。『やられた!』って言ってもらえるように頑張りたいです」。火花を散らす2人の勝負が、楽しみだ。【日本ハム担当=中島宙恵】

日本ハム対西武 5回裏日本ハム無死一、二塁、五十幡はセーフティバントを決める(2023年8月10日撮影)
日本ハム対西武 5回裏日本ハム無死一、二塁、五十幡はセーフティバントを決める(2023年8月10日撮影)