時の流れを感じる。3年ぶりに野球の現場に戻ってきた。7年ぶりのヤクルト担当となる。同学年の荒木貴裕氏(36)は、今季限りで現役引退。それこそ同氏が7年間着けた背番号10は、プロ6年目の宮本丈内野手(28)が引き継ぐことになった。「10」は城石憲之現2軍総合コーチ、森岡良介現1軍内野守備走塁コーチら、歴代のチームリーダーがつけた伝統ある番号。宮本「うれしかったですね」とかみしめた。
欲していた数字でもあった。「荒木さんに、『いつか背負いです』と話していました」と、その背中に憧れていた。かねて熱望していた思いは球団へ届き、荒木の引退のタイミングも重なり、自身の背中は「39」から「10」へと変更されることになった。「城石コーチは野球の取り組みを教えてもらった方ですし、森岡コーチも自分が入団したころはファームで指導して頂きましたし、荒木さんにも本当にお世話になりました」と脈々と受け継がれてきた伝統に頭は上がらない。
自信があった訳ではない。「自分なんかが、背番号変更出来るような選手になれると思っていなかったです」と正直な気持ちを吐露した。一方で“何か”を変化させないといけないとも思っていた。今季は、主に代打として65試合に出場。もちろん現状に満足してはいない。「いつも出だしでつまずいてしまう。2、3、4月とか…。焦ってしまって」と分析はしている。「そういうところも含めて、調整だったり、トレーニング法も考えないといけない」と同じ轍(てつ)は踏まない。
時代は移り変わる。背番号変更とともに、宮本は心機一転、24年へ走り始めている。「ようやく6年目にして、球場でも39のユニホームを見るようになってきたんですけどね(笑い)新しい数字も買っていただけたらうれしいですね」と言った。内野手登録だが、外野も守れるユーティリティープレーヤー。その枕詞(まくらことば)も変えていく。オンリーワンのプレーヤーへ-。新たな10番の光景を刻む日々を、先輩たちも楽しみにしていることだろう。【ヤクルト担当 栗田尚樹】




