話題のドラ1ルーキーに負けるわけにはいかない。巨人育成3年目の木下幹也投手(21)が燃えている。今年のドラフトで3球団競合の末、度会隆輝外野手(21)がDeNAに入団した。元ヤクルトの父博文さんという家系もさることながら、明るいキャラクターを爆発させて話題を呼んでいる。25日のファンフェスティバルではアニメ「ONE PIECE」の初代オープニング曲「ウィーアー!」を熱唱。ハマスタでさっそく目立った。

横浜高校時代、同学年のチームメートで“いつメン(いつものメンバー)”4人組でもあった木下は笑いながら言う。「チーム内でも断トツに明るかったです。ずっとしゃべってる。あんなしゃべってる人間は会ったことないです。黙ることはないので。落ち込んでも全部プラスに捉えるので一瞬で立ち直ります」と独特なキャラクターを明かす。

2人の出会いは小学生時代だった。ジャイアンツジュニアの木下、スワローズジュニアの度会として存在を互いに認識。中学では世田谷西シニアでスーパー中学生としてテレビにも出演するほどだった木下と、佐倉シニアで活躍した度会はときおり対戦するようになり、顔見知りの友達になった。

高校に入学するとすぐに2人の距離はグッと縮まった。度会と木下に加え、20年にドラフト3位でDeNAに入団した松本隆之介投手(21)と国学院大の冨田進悟内野手(3年)の4人で仲良しグループができた。「4人は最初からずっと一緒でした」と木下。高校卒業から2年で4人中3人がプロ入りしたというのだから驚きだ。冨田もプロ入り目指して練習に励んでいる。

4人は今でも毎年、年末に旅行する。昨年の大阪旅行では度会の独特なファッションセンスに4人は大爆笑した。高校時代に甲子園用に作った自分の名前と横浜高校のマークが書かれたトートバッグを私服に合わせてきたのだ。「びっくりしました。それくらいぶっ飛んでます」と木下。さらに仲が良いがゆえの困ったノリも。「絶対会ったらすぐ動画撮らされるんですよ。『面白いことして』ってむちゃぶりがテイク10以上ある。『まだある、まだある』って。だから勢いでギャグやって。きついんですよ…(笑い)」と苦笑い。それでもいまだにケンカしたことないほど、絆は深い。

そんな親友に、負けるつもりはない。今季は故障などもあり、イースタン・リーグでは1試合の登板にとどまった。1軍で対戦できる未来を想像しながら、支配下昇格を目標に日々トレーニングに打ち込む。「1軍にいくしかない。状態も良い感じだし、手応えもあります」と木下。最高の舞台で親友をねじ伏せてみせる。【巨人担当=小早川宗一郎】

仲良く記念写真に収まる横浜高校の同級生4人。左から国学院大・冨田、巨人木下、DeNA度会、松本(本人提供)
仲良く記念写真に収まる横浜高校の同級生4人。左から国学院大・冨田、巨人木下、DeNA度会、松本(本人提供)
仲良く記念写真に収まる横浜高校の同級生4人。左から巨人木下、DeNA度会、国学院大・冨田、DeNA松本(本人提供)
仲良く記念写真に収まる横浜高校の同級生4人。左から巨人木下、DeNA度会、国学院大・冨田、DeNA松本(本人提供)