楽天渡辺翔太投手(23)の充実の1年目が終わった。昨年のドラフト3位で入団し、中継ぎとして51試合に登板。8勝3敗、25ホールド、1セーブ、防御率2・40をマークした。「僕の中では予想以上の出来です。1軍で1試合投げるのが目標だったので」。当初掲げていたよりも50試合多く登板。年俸も1800万円増の2800万円(金額は推定)で契約更改し、これ以上ないプロ生活スタートとなった。

開幕は2軍で迎えたが、6月3日に1軍初昇格。そこから逆戻りすることなく、シーズンを戦い抜いた。開幕から2カ月はイースタン・リーグが主戦場。「本当に1軍で出れるのかな」と不安を抱えながらプレーしていたという。それでも、1軍で勝ちパターンの一角を担うようになり「終わってみればとてもいい1年だった」と胸を張れるほどの好成績を残した。

今季は「1軍で1試合登板」という比較的低い目標を設定したが、来季は守護神という高みを見据える。楽天の抑えを長年務めた松井裕樹投手(28)が、メジャー移籍を目指して海外FA権を行使。チームを離れるのが既定路線だ。「9回が空くかもしれないというところで、まずは9回で投げることを目指したい」。ポスト松井裕に名乗りを上げる。

11月28日に行われたNPBアワードでは、オリックス山下舜平大投手(21)が241票を獲得し、パ・リーグの最優秀新人賞に輝いた。その次点が20票の渡辺翔だった。同式典に登場することはなかったが、2年目の来季は最多セーブ投手賞を獲得した先輩・松井裕のように、晴れ舞台で登壇する可能性もある。

「もしクローザーをするのであれば、背番号(31)の数字を目指して、30セーブ、20セーブときりのいい数字を目標に、コツコツ積み上げていけたら」。新守護神・渡辺翔が誕生するのか注目だ。【楽天担当 山田愛斗】