「おはようございます」。声が聞こえた先に視線を向けた直後、DeNA京田陽太内野手（29）が、笑顔でペコリと頭を下げた。1月8日、新人合同自主トレ初日でドラフト1位の度会隆輝外野手（21＝ENEOS）らルーキーに注目が集まる中、黙々と室内練習場でバットを振り込み、快音を響かせた。

昨年の契約更改時よりも明らかに締まった体、顔に驚かされた。「6キロくらい絞ったんです」。昨年12月中旬に球団の栄養士にも助言を受けながら、ファスティングを実施。トレーニングを継続しながら、妻のサポートも受け、体を絞り込んだ。キレのある動き、決意に満ちた表情に今季に懸ける熱い思いを感じた。

順調な調整をうかがわせた。移籍直後だった昨オフは、家探しなどにも奔走したが、今オフは神奈川・横須賀市の球団施設「DOCK」を中心にウエートトレ、技術練習に集中。最先端のトレーニング器具、サウナなどのリカバリー施設も充実した“DOCK式”で、遊撃のレギュラー奪取に向け、体づくりに励む。

フレッシュなルーキーを横目に、言葉に力を込めた。「とにかく、やるしかないんで。頑張ります」。すぐに背中を向け、黙々とダッシュを繰り返した。己の体、心と向き合った今オフ。その成果はグラウンドで体現する。【久保賢吾】