中日鵜飼航丞外野手(24)が新兵器への好感触を口にした。18日からナゴヤ球場で自主トレを始め、濃いブラウンを基調にしたバットを手にマシンで打撃練習。左手1本で打ち込んだり、黙々とボールを打ち続ける。

「僕はこれの方が使いやすい。芯も外側に来ている。(腕ではなく)バットを使っている感覚はあります。下半身始動で遅れて出てくるような感覚で振れています」

和田打撃コーチのアドバイスもあり、昨年12月末に岐阜県にあるミズノ社のバット工場で新バットを作り上げた。現役時代に通算2050安打、319本塁打を放った同コーチが愛用したバットと同じく、重心をバット先端部に移した新兵器。1月初旬から自主トレを行った母校・駒大に届けられると、1日1時間以上は新バットを振り続け、体になじませた。

昨オフには和田コーチと千葉県のネクストベース・アスリートラボに赴き、科学的に肉体チェックを受けた。右股関節を使えていない診断を受け、下半身を意識した打撃に重きをおいて新年を迎えた。「上半身に頼っていた分、今まで以上にやっぱり下半身は張ります。やっぱり疲れます」。疲労が充実感につながっている。

「アピールしないといけない立場。甘い球を1球で捉える事が一番。くさい球を長打にするのは難しいので、逃げられる技術を必要。そういうのを実戦の中でつかんでいきたい。ケース打撃でも右打ちとかゴロ打ちも当たり前にできないといけない」。

中日の外野争いは激しい。岡林、細川、大島らがいて、前ソフトバンク上林が加入し、新助っ人ディカーソンもまもなく来日する。同期ブライトや三好らもレギュラー取りをにらむ。和製大砲として21年に入団したが7本塁打どまり。焦げ茶色の新バットが、壁をぶち破る鍵になる。【中日担当=伊東大介】