ソフトバンクのドラフト2位岩井俊介投手(22=名城大)、同4位村田賢一投手(22=明大)、同6位大山凌投手(21=東日本国際大)の即戦力ルーキー3投手が、キャンプ初めてフリー打撃に登板した。B組が練習する第2球場には王球団会長、小久保監督、倉野1軍投手コーチ、城島会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーターも顔をそろえた。打席に入った野村大、三森、新人の同3位広瀬隆太内野手(22=慶大)に5球ずつを2回り。それぞれ30球を投げた。

チーム最大の課題は「投手力強化」。今オフにはFAで西武から山川、さらにトレードで巨人からウォーカーが移籍。2人の「右の大砲」加入で打線に厚みは増したが、キャンプインから小久保監督は連日ブルペンに足を運び、投手陣の調整に目を光らせている。「もともと、実力的には即戦力の評価なんでね。岩井はパワーピッチング。村田は球威というよりコントロールで動かしながらの投手。大山はまとまっている感じ。それぞれ特徴が出とったね」。新人3投手の投球を見守ると、納得顔でメイン球場に引き揚げた。野村大の打球を背中に受け、周囲をヒヤリとさせた岩井も、投球を継続。野村大を自慢のスライダーでのけぞらせるなど、ケージ裏で見つめる首脳陣へアピールも忘れなかった。

野手の広瀬を含め、キャンプB組スタートなった大卒4選手だが、そこには倉野1軍投手コーチの思惑があった。ホテルなど好待遇の環境からスタートさせるより、ファーム的な厳しい環境からプロ人生をスタートさせた方が、将来の成長につながるはず…。「即戦力」と呼ばれながら、あえてB組発進にしたのはハングリーさも兼ね備えてもらいたい、という思いがあった。「まあ、そこは倉野の考えもいろいろとあってね。彼らの力はある程度、分かっているんでね」。小久保監督はニヤリと笑った。

3番手で投げた大山は「70%くらいの感じでしっかりゾーンに投げることを意識しました。いい感じで調整ができていると思います」と笑顔で話した。次クールからは実戦形式のメニューが入る。世代交代もチームにとって大きなテーマでもある。新人くんたちが大きなカンフル効果をもたらしてくれるか。実戦マウンドが楽しみになってきた。【佐竹英治】

打撃投手として登板した村田(撮影・梅根麻紀)
打撃投手として登板した村田(撮影・梅根麻紀)
打撃投手として登板した大山(撮影・梅根麻紀)
打撃投手として登板した大山(撮影・梅根麻紀)