環境が変わってもやるべきことは変わらない。

前阪神で育成の二保旭投手(33)はキャンプ初日から連日ブルペン入り。基本、1日おきで入る人が多い中で、異常な量の球数を投げている。小野1軍投手コーチも「うちでは異例ですね」と驚くほどだ。

その理由を二保に聞いた。

「へたくそだからって言っていいですか?」

プロ16年目の右腕にとっては当たり前のことだった。やることも変わっていない。「阪神時代から第2クールまでは毎日入ってましたね」とあくまで自分に取っては普段通りの調整法。黒木1軍投手コーチからは「あと何球投げるんだ~」と心配され、吉井監督からも「投げすぎるんやったらタイム設定するぞ」と冗談を飛ばされた。

だが、本人は「体自体、問題なければって感じです。無理してるわけでは全くないので」とケロっと答えて見せた。「そこの心配してもらってることもありがたいですし、ほんと、けがだけしないようにやっていこうかなって感じです」と自分のペースで投げる。

ロッテに加入して2カ月がたった。「一言で言ったら、やりやすいです。やりやすいように、選手もスタッフもそうですけど、みんな声かけてくれますし、ほんとよくしてもらってるっていう感覚に近いですかね」と語る。実際に吉井監督も「やりたいように」と選手ファーストでキャンプを進めている。

つけるのは3桁の背番号。「2月の練習試合から、3月にかけてのオープン戦にかけて、結果を出し続けないと」。結果が求められる。

昨年阪神は日本一を達成したが「実際、僕が何かしたかっていうと何もできてないですし、貢献できなかった上でチームは優勝してるっていうのは、まあうれしいのもあり、やっぱり悔しさもあった」と複雑な心情だった。

ソフトバンク、阪神を経て、ロッテは3チーム目。1日でも早くピンストライプのユニホームに袖を通し、2桁の背番号へ。「このチームで、ほんとに、リーグ優勝、日本一になれたらいいなって思います。少しでも貢献できれば、気持ちよく1年が終われるのかなと思ってるので、そこにまず貢献できるよう頑張りたい」。環境が変わった2024年も全力で腕を振り続ける。【ロッテ担当=星夏穂】

ブルペンで投球練習するロッテ二保(2024年2月撮影)
ブルペンで投球練習するロッテ二保(2024年2月撮影)