<オープン戦:ソフトバンク4-0阪神>◇20日◇ペイペイドーム

「エース」の風格すら感じさせる投球だった。ソフトバンク先発の東浜巨が阪神打線に6回1/3、86球を投げ4安打無失点投球。許したヒットも単打のみ。二塁すら踏ませない安定のマウンドだった。

立ち上がりからプラン通りの投球内容だった。マスクをかぶった甲斐とストライクゾーンの3球勝負を確認し攻めた。先頭中野から初球はすべてストライク。初回、打者3人を9球で料理。4者連続三振を含め3回までパーフェクト投球で滑り出した。「序盤の3回で球数少なく立ち上がれたのが一番と思う。1イニングでボール球を1、2球減らしていこうと投げていたので。それが形に出た。収穫だった」と東浜はうなずいた。

開幕からの先発ローテ入りは当確しているが、さらに投球の高みを目指すつもりだ。昨年6勝7敗に終わった悔しさは忘れてはいない。「投球の土台になるところ」と言い切る直球の強さ、キレ、スピードにこだわりオフからトレーニングに励んだ。この日は最速149キロ。「さらに強いボールを投げていく」と気持ちを引き締めた。降板後はブルペンに入りさらに投球練習。「計100球くらい1回投げたかったのでコーチと相談して投げました」。2週間後の本拠地開幕カード2戦目となる4・3ロッテ戦の先発が有力。今オープン戦は3試合で計15回1/3を投げ無失点投球で締めた。

試合を見守った王球団会長は「東浜は球が走っていたし、強くなったよね。よかったね」と称賛し「夏場にバテないようにしないとね」と言った。すでに開幕からの好投は見越しているかのようでもあった。【佐竹英治】

ソフトバンク対阪神 7回途中無失点で降板となり、今宮(左から2人目)らナインとタッチを交わしてベンチへ戻る東浜(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対阪神 7回途中無失点で降板となり、今宮(左から2人目)らナインとタッチを交わしてベンチへ戻る東浜(撮影・岩下翔太)