広島の新外国人サンドロ・ファビアン外野手(27)が、広島打線の攻撃にアクセントを加える存在となっている。来日1年目ながら、ここまでリーグトップの打率3割2分9厘をマークする。6番で開幕した打順も今や3番を任され、13試合連続安打中。すでに優良助っ人の印象を受ける。

日本球界で活躍し、ファンに愛された広島の外国人選手たちはみな、強い個性を放っていた。代表例が、広島外国人選手としては最長7年在籍のブラッド・エルドレッド(現中米スカウト)だろう。大きな体で“ママチャリ”にまたがり、広島市内を走る姿は大きなインパクトを与えた。愛用していた後継モデルを改造した自転車が、引退記念に開催されたチャリティーオークションで155万5000円で落札されたほどの人気を誇った。

そんなエルドレッドに見いだされて広島でプレーするファビアンもまた、グラウンド外で個性を発揮する。家ではバットではなく、包丁を握ってまな板に小気味良いリズムを刻む「料理男子」の一面を持つ。

本拠地試合日だけでなく、遠征先でも繁華街に繰り出すことを好まない。そのため、広島では自炊中心の生活。ステーキや卵料理、スムージーなど簡単な料理もつくるが、得意料理はドミニカ共和国の国民食ともいわれる「ラ・バンデラ」。牛肉や鶏肉、小豆をそれぞれ野菜と煮込んだものを白米やサラダと一緒にワンプレートの載せて食す。

球場近くの「コストコ」で食材をまとめ買いし、自分で刻んだり調理したりして、小分けして保存までする。日によって組み合わせを変えながら、腹を満たして球場へ向かう。

「時間があるときは映画を観たりすることもあるけど、基本的にシーズン中は野球のことにフォーカスしている」

遠征先でも食事を済ませればすぐに部屋に戻る。飲み歩くことはない。連敗中などは特に自身の立ち居振る舞いも意識している。チームメートへの敬意も忘れない。

「まだ100%に慣れたというわけではないけど、今はいい流れで野球をやれている。結果も出ているので、これを続けてレベルアップしていきたい。日本の野球も生活も、好きですよ」

日本になじむだけでなく、日本を愛することもまた、日本球界で成功するために欠かせない要素かもしれない。【広島担当 前原淳】

DeNA対広島 ヒーローインタビューを終え笑顔で写真に納まる広島ファビアン(中央)、フェリシアーノ通訳(右)、スラィリー(2025年5月10日撮影)
DeNA対広島 ヒーローインタビューを終え笑顔で写真に納まる広島ファビアン(中央)、フェリシアーノ通訳(右)、スラィリー(2025年5月10日撮影)