<日本シリーズ:阪神1-2ソフトバンク>◇第3戦◇28日◇甲子園
甲子園の風は冷たかった。グラウンドコートに身を包み、戦況を見つめるソフトバンク小久保監督は何度も手のひらに息を吹きかけた。それでもソフトバンクには「逆風」にはならなかった。
先発モイネロが初回に1点を先制された。虎党の大歓声。想像以上の厳しいビジター環境。でも、風はホークスに味方した。「試合前の練習の時から今日の風は違うと感じていた。(甲子園特有の右翼からホーム方向に吹く)浜風とは違って、ホームからバックスクリーン方向に流れていた」。大西外野守備コーチは微妙な風の流れを感じ取っていた。4回1死走者なし。山川がバックスクリーン左に2戦連続となる同点の2号ソロ。豪快な1発で流れを引き戻すと、6回に柳町が勝ち越しの適時三塁打。敵地に乗り込んで逆転で白星をつかみ取った。
短期決戦はエラーが命取りとなる。栗原、山川が失策を犯してピンチを招いた。だが、それも投手力を中心とした「守り」で虎の子の1点を守り切った。4回から最終9回まではすべて得点圏に走者を出す苦しい展開。必死の防戦を強いられたが、自慢の投手力で無失点に封じ込んだ。「いやあ、しんどい試合だったね。やっぱり先発のモイネロがしっかり抑えてくれたからね。要所の粘りは立派。その後(の投手も)ここという時に抑えてくれたからね」。応援に駆けつけた王会長も苦笑いを浮かべながら、何度も両手を握ってガッツポーズを繰り返した。
押され続けたようなゲーム展開も、終わってみれば勝ち越しに成功すると、7回からは藤井、松本裕、杉山の「勝利の方程式」で逃げ切った。イニングを切り取れば「窮地」の連続と映った戦いもホークスの「必勝型」で連勝を飾ったことには変わりない。
今シリーズ初スタメンとなった遊撃今宮が6回2死一、二塁の場面でショート後方への打球を好捕。守り切る野球を体現した。これで2勝1敗。チーム残塁「11」を数え、1得点に終わった阪神には痛撃を与えられたに違いない。




