184センチの長身から体をひねって打者に一瞬背中を見せ、左腕をムチのようにしならせる。独特のフォームの阪神及川雅貴投手(20)は、最速153キロの切れ味抜群の直球を武器に、高卒2年目の昨季ブレーク。プロ2試合目の登板となった5月30日の西武戦(メットライフドーム)で好救援し、プロ初勝利を挙げ、その後は一時勝ちパターンの一角を担った。39試合に登板して2勝3敗10ホールド、防御率3・69を残した。

21年3月、力投する阪神及川
21年3月、力投する阪神及川

アマ時代から世代のトップを突っ走ってきた。中学3年時にU15ワールドカップ(W杯)に日本代表として出場し、大会最優秀防御率を獲得。さらに「スーパー中学生」としてテレビ番組の企画で、西武森らと対戦した経験を持つ。名門横浜高に進んで、甲子園には1年夏、2年夏、3年春と3度出場。ロッテ佐々木朗、ヤクルト奥川、阪神西純とともに「高校四天王」の1人だった。鳴り物入りでプロの世界へと足を踏み入れた。

昨季の奮闘を首脳陣に認められ、今季は先発に挑戦中。キャンプではチームの対外試合初戦で、新庄監督の初陣としても注目された8日の日本ハム戦の先発を託され、3回3失点。19日の楽天戦は3回を無失点に抑えるも、矢野監督から「この投球じゃ先発はしんどい」と厳しい評価を受けた。ポテンシャルの高さゆえに、求められるレベルも高いところに置かれている。

阪神及川の年度別成績
阪神及川の年度別成績

同学年の奥川、佐々木朗に加え、昨季はオリックス宮城が各チームの大一番で力投する姿に刺激を受けた。「悔しい気持ちが一番。今年先発でしっかり枠を勝ち取って、宮城、奥川、佐々木朗としっかり争って、競っていきたいというか、離されないように追い付いていきたい」。黄金世代のライバルたちとともに、日の丸を背負う日もそう遠くはないはずだ。【古財稜明】