センバツ大会の開幕が19日に迫った。今大会の注目選手をピックアップしてみた。

まずは投手から。

最速150キロ超の投手が4人出場する。大阪桐蔭・関戸康介(154キロ)、市和歌山・小園健太(152キロ)、中京大中京・畔柳亨丞(151キロ)、大阪桐蔭・松浦慶斗(150キロ)。彼らの投球が楽しみなのは当然だが、4人以外に個人的に最も注目している投手がいる。北海のサウスポー、木村大成投手だ。

北海・木村(20年10月11日撮影)
北海・木村(20年10月11日撮影)

昨秋10月11日の北海道大会決勝戦。ネット中継に釘付けになってしまった。北海・木村と旭川実の右腕・田中楓基の素晴らしい投手戦。勝てばセンバツ当確という大一番は7回を終わって0-0。8回表、北海に決勝ソロが飛び出し決着したが、両校エースとも甲子園で見たいと思わせる内容だった。

衝撃だったのが木村投手の左腕から繰り出されるクロスファイア。右打者のインローにズバズバ決まる。スライダーのキレ味も抜群だった。被安打2、11三振を奪って完封。見事にセンバツ切符をもぎ取った。

昨秋の成績を見ると8試合に登板、52回2/3を投げ被安打は27、奪三振は72、与四死球10、失点3(自責2)で防御率は出場32校の主な投手の中でトップの0・34だった。

身長180センチで最速は145キロ。今大会で好投すればドラフト上位候補にも浮上してくるのではないか。甲子園初陣はなんと19日の開幕試合(対神戸国際大付)。楽しみで仕方がない。彼が本調子なら、北海が一気に台風の目になる可能性がある。

打者では智弁学園・前川右京外野手の評判が高い。昨秋近畿大会で見たが、打席での雰囲気が良い。いかにも打ちそうなオーラが出まくっていた。すでに高校通算本塁打は30本。初戦でぶつかる大阪桐蔭戦で松浦、関戸の150キロをどう打ち崩すか注目したい。

個人的に楽しみにしているのは敦賀気比・大島正樹外野手と大阪桐蔭・池田陵真外野手。2人とも1年時からレギュラーで出場しており、最初に見て一目ぼれした選手だ。

大島は1年春からレギュラーの座をつかみ富山県で行われた北信越大会に出場。奥川(現ヤクルト)が登板した決勝・星稜戦にも「1番中堅」でスタメン出場。1年生が奥川にどう対処するか注目した。1打席目は中飛、第2打席は三ゴロに抑えられたが第3打席で見事右前安打を放った(第4打席は中飛)。手も足も出ないのではと思っていたが見事にそんな予想を覆し、ドラフト1位候補にしっかり対応してみせた。

大島は夏の甲子園にも出場。3試合すべて「1番中堅」で先発出場し12打数3安打。昨秋は4番に座り打率4割1分2厘、本塁打は0に終わったが15打点をマークした。富山での取材で目標の選手を聞くと同校の先輩、オリックス吉田正尚外野手の名前を挙げた。当時より背も伸びた。174センチと憧れの先輩を1センチ上回った。2度目の甲子園で打ちまくってプロのスカウトにアピールして欲しい。

大阪桐蔭・池田は1年秋からレギュラー。1年時は1番を打っていたが昨秋からは4番に座った。172センチ、84キロのガッチリとした体格から全方向へ長打を連発。昨秋は3本塁を放ち19打点を挙げるなど主砲として結果を残した。高い身体能力を生かしたセンターの守備も打球判断にすぐれ申し分ない。主将も務めるだけに優勝へとチームを引っ張って欲しい。

【注目投手】

木村大成(北海=180、78、左腕)

福島 蓮(八戸西=189、72、右腕)

伊藤 樹(仙台育英=178、78、右腕)

秋本璃空(常総学院=176、80、右腕)

大川慈英(常総学院=176、70、右腕)

深沢鳳介(専大松戸=177、75、右腕)

本田峻也(東海大菅生=179、73、左腕)

鈴木泰成(東海大菅生=185、73、右腕)※

石田隼都(東海大相模=183、73、左腕)

若山恵斗(東海大甲府=174、78、左腕)

畔柳亨丞(中京大中京=177、87、右腕)

野崎慎裕(県岐阜商=172、72、左腕)

松野匠馬(県岐阜商=181、80、右腕)

竹松明良(敦賀気比=180、70、左腕)

上加世田頼希(敦賀気比=178、80、右腕)※

松浦慶斗(大阪桐蔭=185、92、左腕)

関戸康介(大阪桐蔭=179、81、右腕)

阪上翔也(神戸国際大付=181、77、右腕)

達 孝太(天理=193、88、右腕)

小畠一心(智弁学園=185、86、右腕)※

小園健太(市和歌山=184、90、右腕)

代木大和(明徳義塾=184、85、左腕)

毛利海大(福岡大大濠=176、75、左腕)

太田虎次朗(明豊=175、75、左腕)

新川俊介(具志川商=180、78、右腕)

【注目野手】

宮下朝陽内野手(北海=182、81、右右)

秋山 俊外野手(仙台育英=180、84、右左)

田辺広大捕手(常総学院=173、75、右右)

小沢周平内野手(健大高崎=172、75、右左)

福原聖矢捕手(東海大菅生=167、68、右右)※

小池祐吏内野手(東海大菅生=180、77、右右)※

柴田 疾内野手(東海大相模=180、85、右右)

大塚瑠晏内野手(東海大相模=168、66、右左)

高木翔斗捕手(県岐阜商=186、88、右右)

前川誠太内野手(敦賀気比=178、68、右右)

大島正樹外野手(敦賀気比=174、73、左左)

宮下隼輔内野手(大阪桐蔭=175、80、右右)

池田陵真外野手(大阪桐蔭=172、84、右右)

前川右京外野手(智弁学園=177、90、左左)

杉下海生内野手(天理=169、69、右左)

瀬 千晧外野手(天理=179、85、右右)

松川虎生捕手(市和歌山=178、98、右右)

米崎薫暉内野手(明徳義塾=172、70、右右)

中村碧人内野手(宮崎商=175、75、右右)

※は新2年生

【デジタル編集部 福田豊】

大阪桐蔭・池田(20年9月26日撮影)
大阪桐蔭・池田(20年9月26日撮影)