パ・リーグでオリックスが首位固めに入った。3年連続の優勝へ、現状は死角なし。そんな印象を与える強さである。

4番に座るのがセデーニョ。彼の存在を知ったのは5月の中旬。スポーツ新聞の小さな記事だった。育成契約から支配下登録されたという情報だった。年俸は推定4000万円。この時点では力のほどは半信半疑であったが、あれからわずか2カ月。首位チームの堂々の4番打者になっている。

現在4試合連続の本塁打を記録しており、7本塁打で打率の3割超え。何より彼の出現からチームが勢いを増した。これは間違いない。外国人バッターの存在感がチームにもたらす影響を、改めて認識させられる。

こういった現象が、まったくないのが阪神だ。ミエセスが2軍に落ち、残ったノイジーは、上昇気配がない。いまだストライクゾーンを気にして、打席で首をかしげたり、審判を不満げににらんだり…。2月のキャンプから6カ月。まだ日本のストライクゾーンに慣れないなんて、正直、話にならない。

実力派バッターとして来日。かつて在籍したシーツのような打者として、最初は評価が高かった。広角に打てるし、状況に応じたバッティングができる。優良外国人だという印象は、日ごとに薄れ、いまでは「岡田はいつまでノイジーを使うのか!」といった不満の声が高まっている。

打撃成績表を見ると、下から3番目(7月24日現在)。すぐ下に佐藤輝の名があるのも、なんだかな…ではあるが、本塁打も5本。2カ月で7本放っているセデーニョとは大違いだし、ノイジーは推定年俸が1億8000万円。費用対効果は最悪…。

それでも岡田は起用し続けている。それはわずかな可能性を感じているからにほかならない。ノイジーは想像以上に守備がうまい。打球に対する反応がよく、送球、返球が極めてスムーズ。捕球してからが早く、肩が強くてコントロールがいい。これは岡田も評価している。

だが、外国人打者は打ってナンボ。守備や走塁は、後回しの理由づけだ。ミエセスが2軍でノイジーが先発出場。この理由が釈然としない。

前回の監督時、シーツは別格として、他の外国人選手には恵まれなかった。キンケード、スペンサー(2年在籍)、フォードと補強は不発に終わり、岡田もさすがにシーズン途中で見切った。「監督の立場からすれば、結果を出してくれるなら、何億払ってもエエわ」。それほど依存度が高い外国人野手なのに、現状のひどいコストパフォーマンス。さあ、岡田がノイジーに見切りをつけるのか? それは近いと予測する。

いよいよ勝負の8月を迎える。混戦を抜け出すために、何が必要か。これは、はっきりしている。攻撃力、得点能力だ。そこでキーになるのが3番問題、ノイジーの扱いとなる。先にも書いたが、依然としてストライクゾーンを把握し切れず、バットに当たればファウル。ノイジーのファウルの数はべらぼうに多い。「わずかな差やと思うけど。考えすぎのところがあるし、な」。岡田はまだノイジーに期待を寄せるが、それも限度がある。

どうやら緊急補強はなさそうだし、8月からは現有の戦力で戦うことになる。弱点がはっきりしている阪神。得点力が求められるのに、このまま3番ノイジーを貫くのか。7月いっぱいで、岡田はジャッジするに違いない。

3番やレフトは聖域では決してない。岡田もそこまで甘くないし、判断すればノイジーのスタメン剥奪に着手するはずだ。

だが、待てよ…となるのが、阪神の泣きどころでもある。ノイジーの代わりはいるのか? 近本、森下で外野の2つは決まった。あと1つをどうする? 右、左に関係なく前川、小野寺を登用するのか、2軍から高山や井上を呼ぶのか。つらいところである。いずれにしてもノイジーに与えられる猶予はわずか。突然の覚醒を期待したいが、正直、望みは薄い。(敬称略)【内匠宏幸】