「これからは内容より結果よ」。監督の岡田彰布はトラ番に囲まれて、こうコメントしている。9月、勝負の時を迎えての心持ちを表した。

ところが勝ちという結果なのに、岡田はかなり怒っていた。9月6日の中日戦。スミ1で逃げ切った試合後、試合内容に不満を募らせていた。内容より結果…といっていたのに、と思うのだが、やはりこのあたりが岡田らしさ全開ということか。

とにかくマジックを「13」(9月6日現在)にした。いよいよアレへのカウントダウンに入るわけだ。まあよほどのことがない限り、このままゴールを迎え、65歳監督の最初の目標が達成となる。

この1年、セ界を席巻した岡田劇場。長いブランクをものともせず、改めて野球学を見せつけた。特に年齢が特筆される。11月(25日)に66歳になる。球界最年長監督の存在感で、球界の今後は大きな変化が起きるのでは…といったことを考えてしまう。

現在のプロ野球の12人の監督。その年齢をここで記してみる。阪神・岡田=65歳。広島・新井=46歳、DeNA・三浦=49歳、巨人・原=65歳(なったばかり)、ヤクルト・高津=54歳、中日・立浪=54歳。パ・リーグはオリックス・中嶋=54歳、ロッテ・吉井=58歳、ソフトバンク・藤本=59歳、楽天・石井=49歳(9月9日で50歳)、西武・松井=47歳、日本ハム・新庄=51歳(すべて9月7日現在の満年齢)。

やはり岡田と原が突出している。この2人が60代で、あとは50代、40代と世代としては3つに分かれるが、平均すれば、いまの球界の監督適齢期は50代ということになるようだ。

そんな中、岡田が長いブランクの末、阪神の監督にカムバックした。「体力的にどうか?」「選手との年齢差のギャップは?」「いまの野球についていけるか?」など、さまざまな不安、疑問が渦巻いていたが、岡田は難なくクリアした。これにより、改めて監督適齢期に変化があらわれるかもしれない。

過去の歴史の中、最高齢監督の記録として残っているのは野村克也の74歳となっている。70代の監督は本当に稀な存在で、昔は20代で兼任監督が出現し、名将、名監督といわれた川上哲治、鶴岡一人は50歳半ばで退陣している。

そんな監督の推移があって、現在は40代、50代監督が主流の球界。体力的に充実期を迎え、指導者としてのキャリアを積み、さらにスター性があり、集客も期待できる。それが現状の監督像のようだが、それを岡田が覆した。そもそも岡田は言っていた。「体? 体力? そんなん、心配してないわ」と。体力的な不安がなく、豊富なキャリアを生かす実務派の代表。そんな監督がいよいよ「アレ」を成し遂げようとしている。これにより、在野の60代、70代の監督候補は色めき立っているのではないだろうか。

岡田はまさしく、そんなジェネレーションの代表格。今回の成功例で、意を強くした世代は多くいたと思う。

例えばネットで中日のことが取り上げられ、そこで監督待望論という形で落合博満の名前が出ることがある。岡田より4歳上だが、岡田の見事なカムバックによって、ファンは落合の名前を出すということなのだろう。

選手だけでなく監督にも世代交代の必要性が叫ばれたものだ。阪神も野村から星野、そこから岡田、真弓、和田と移り、そして金本、矢野と若返った。そこで再び、岡田である。時代に逆行するという声は上がった。しかし、結果は成功した。この事実を他球団はどう見ているのか。「監督適齢期」はあってないようなもの。高齢者の逆襲は球界でも…といったところだ。【内匠宏幸】

(敬称略)