<フェニックスリーグ:楽天-中日(雨天中止)>◇17日
雨天のためこの日の試合は中止となったが、田村藤夫氏(62)は中日の室内での練習を取材することができた。投手・根尾昂(22=大阪桐蔭)のブルペンから感じた課題とは…。
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投手に転向した根尾がどんなボールを投げるのか、そこはずっと気になっていた。図らずも試合が中止になったことで、ブルペンでのピッチングを見ることができた。
右打席の後ろで、根尾の球筋をじっくり見させてもらった。真っすぐは速く感じた。ルーキーイヤーに2軍バッテリーコーチだったが、もちろんピッチングを見るのはこれが初めてだった。甲子園での様子はテレビで見ていたが、こうして生で見ると、予想していたよりも速く感じた。
しかし、無意識のうちに捕手としての見方になってしまう。このボールが試合の中でどうなるか。ピンチでも同じボールが投げられるだろうか? と。真っすぐは低めにしっかり制球されていた。スライダーも抜けたボールはほとんどない。スプリットは落差はないが、低めに制球されていた。
根尾は「最速151キロで、スライダーとスプリットをこのレベルで制球できるのか」という感想だった。野手から転向したという事情を考えるなら、投手としての能力、適性はあると感じる。では「1軍レベルにあるか」という目で見ると物足りなさはある。
まず、スピードがもう少し欲しい。151キロは確かに一定の球威ではあるが、今のプロの投手はもっと球威がある。それこそ、オリックス、ソフトバンクの投手を見ていると、150キロ台後半を出す投手も珍しくない。根尾にはもっとスピードが欲しい。
この後、沖縄で少人数での秋季キャンプを行うようだ。そこで、根尾は投手としてのトレーニングにじっくり取り組む。既に投手用のウエートトレーニングを始めており、ここから秋、春季キャンプへと体を強くし、大きくして、投手としての筋力をつけていくだろう。
下半身を鍛え、じっくり足腰で粘り、力を上半身に伝えるようになれば、さらに球速も上がるだろうし、よりベース板で力のあるボールになる。177センチ、82キロ。投手としては小柄な部類になる。しっかりトレーニングをして、投手の体に仕上げていくここからの数カ月が、投手転向の大きなポイントになる。
変化球も、スライダーの精度のレベルアップが必要だ。ボール先行でスライダーでストライクが欲しい時に、これまでのストライクからボールになるスライダーでは打者に見極められる。そうなるとさらに苦しくなる。甘くならず、ストライクが取れるスライダー。そこまで高めて行けば、幅は広がる。
また、カーブをマスターしようとしていると聞いた。ブルペンでは1球も投げなかったが、カーブがあれば緩急につながる。そのカーブも簡単ではない。まだまだ覚えることはたくさんある。それでも、プロ4年目にして、投手1本で覚悟を決めることになり、根尾本人もすっきりしているように感じた。
18日はソフトバンク-巨人を取材する予定。(日刊スポーツ評論家)





