プロ野球のドラフト会議が今年も終了。独立リーグの躍進ぶりに目を見張った。支配下6人、育成17人の計23人が指名を受けた。ダントツの歴代最多だ。

日本海リーグ富山・大谷輝龍投手(ロッテ)、四国IL徳島・椎葉剛投手(阪神)の2人が歴代最高順位タイの2位で呼ばれたことがまず驚き。とくに徳島は支配下3人、育成3人の計6人が指名された。

独立リーグにはさまざまなバックボーンを持った選手が集まってくる。高校-大学-社会人というルートとは違う道を歩む選手の受け皿として、役割が確立されてきた。4軍制を敷くソフトバンクを筆頭にNPB球団の育成組織が広がっているため、ボーダーラインの選手も指名されやすくなった。トレンドは今後も続くだろう。

球団によっては受け皿の役割に加え、人材再生(育成)システムとしても機能している。今年に関しては前述の2人がそうであったように、シーズン途中に急激に評価を上げていく例が多かった。評価の尺度がはかりにくいのも独立リーグの特徴。指名を決断する球団スカウトたちの努力と眼力も見逃せない。

独立リーグは全国に広がってきた。レベルの向上によって今後、NPBとの関係性も変わっていくだろう。遠くない将来、NPBとのトレード・レンタル移籍などの制度導入につながっていくかもしれない。今回の「23人指名」で、独立リーグの存在感がまた高まったのは間違いない。【アマ野球担当=柏原誠】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

阪神から2位指名を受けた四国IL徳島・椎葉剛投手(2023年10月26日撮影)
阪神から2位指名を受けた四国IL徳島・椎葉剛投手(2023年10月26日撮影)