7月11日に草薙球場で開幕する第97回全国高校野球選手権静岡大会の組み合わせ抽選会が27日、焼津市内で行われ、112校の運命が決まった。3季連続の甲子園出場を目指す優勝候補の静岡は2回戦から登場。初戦の相手は、開幕戦の好カードとなった日大三島-浜松開誠館の勝者となった。高校野球100年を迎える今年、王者静岡への挑戦権をかけて、熱戦が始まる。1回戦は11日の開幕戦に続いて12、18日に行われ、決勝は28日の予定だ。

 104番目のくじを日大三島・勝又魁主将(3年)が引いた瞬間、会場は大いに沸いた。空欄だった王者静岡が入った1番の隣、2番に日大三島の名札がかけられた。

 勝又 一緒に来ていた(部長の)坪井先生から「引くのは2か3しかないよ」と言われて、空いているところを見ながらイメージしていた。狙い通りです。

 仲間からは「2回戦で対戦できれば」という声が上がっていたという。昨夏も静岡は初戦の2回戦で延長15回再試合と苦戦を強いられた。1試合を戦って挑む状況は願ってもない。「自分はくじ運がなくて、みんなから期待していないと言われていたけど期待に応えられたかな」と勝又は笑顔を見せた。

 ドラマは続いた。残ったくじが3本となり浜松開誠館・高林秀祐主将(3年)が「引こうと思っていた」と真ん中のくじを引いた。3番だった。

 高林 心の中では2か3と思っていた。

 お互いにベストメンバーではなかったが、5月に両校が対戦した際は日大三島が勝利した。高林は「ニチダイに勝ってシズコウを倒して、という思いはある」と話した。20日の静岡との練習試合は終盤に2失点し3-4で逆転負け。王者との距離感もつかんでいる。

 注目カードが開幕戦(7月11日午後2時50分)となった。勝又は「たくさんの人の視線に感謝してプレーしたい」と話せば、高林は「たくさんの人の前でできる環境に感謝して勝ちにいきたい」と誓った。

 今年の静岡大会は開幕戦から目が離せない。【加納慎也】