関西にもスーパー1年生がいたゾ! 兵庫大会で4年ぶり甲子園を目指す東洋大姫路が1年生3番森田陽太内野手の活躍などで須磨東に8回コールド勝ちした。3番抜てきの森田は3安打するなど華麗にデビュー。19安打9得点の猛打を誘引した。1年生スラッガーでは早実・清宮幸太郎が話題となっているが、関西のスーパー1年生に注目だ。

 初球から迷いのないスイングだった。1回表2死後、3番森田は高めの直球を右中間へ打ち返した。さらに抜け目のない走塁で二塁へ。続く4番・浅沼良太内野手(3年)の二塁打で先制のホームを踏んだ。

 「初球から積極的にいこうと思ってました。(東洋大姫路の)3番を打つのはプレッシャーもありますが、自分の役割をしっかりと果たしたいと思っていました」

 5回には投手強襲の内野安打、6回にはレフトへの鋭い当たりで3本目。見事な夏デビューを果たした。

 数々の名選手を育て、かつて“鬼監督”といわれた藤田明彦監督(58)も森田の話になると相好を崩す。「走攻守、気迫、どれを取っても素晴らしいです。打撃は安定していて、いまチームが変わろうとしている核ですね」とほめちぎる。

 入学直後からその素質にほれ込んだ。春の県大会でもレギュラーで使いたかったが、練習中の左足の太ももの肉離れで出遅れた。しかし、完治した後は確実性のある打撃で4割近い打率を残し、今夏は1年生ながらクリーンアップに抜てき。中学まではショートだったが、現在は二塁を守る。「球際が強く、ハンドリングが素晴らしい」(藤田監督)と守備も申し分ない。

 1年生スラッガーでは早実・清宮が注目されているが、実は新居浜リトルシニア時代の全国大会で会ったことがある。「対戦したことはないですけど、リトルシニアのころから意識していました。同じ1年生ですけど、清宮君はすごいと思います。僕も負けずにがんばりたいです」。甲子園でスーパー1年生対決を実現させるためにも、期待に応え続けたい。【坂祐三】

 ◆森田陽太(もりた・ようた)1999年(平11)10月31日、愛媛県松山市生まれ。3歳から野球を始め、新居浜リトルシニア、滋賀県に転校した後は軟式でプレー。好きな野球選手は坂本勇人(巨人)。50メートル6秒5。173センチ、67キロ。右投げ右打ち。血液型A。家族は父、母、兄3人。