【2015白球メモリー:志津川・三浦優投手(2年)】

 志津川が仙台育英にいきなり先制パンチを食らわせた。1回表の先頭で左前打。犠打で二塁に進むと3番打者の3球目に三塁へスタート。「仙台育英は、けん制が少ない。次の塁は狙っていた」。捕手郡司の送球ミスを誘い、そのまま先制のホームを踏んだ。この日は三塁打を含む3打数3安打。敵将仙台育英・佐々木順一朗監督(55)を「いいバッター。野球センスのかたまり」とうならせた。

 東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた南三陸町唯一の高校。グラウンドの半分を仮設住宅が占めるため、当たらないように打撃練習は室内練習場で行ってきた。「毎日練習終わりに校歌を歌うと仮設の方々が拍手をしてくれます。今日の朝もバスを送り出してくれました。支えられて野球ができることを実感できるのは、すごく幸せです」。あと2度、甲子園へのチャンスがある。「秋から上を目指します。復興の光になれるように」。【高場泉穂】