昨夏甲子園4強の日本文理が帝京長岡に8回コールドで圧勝し、3年連続4強入りを決めた。6-0の8回、打線を引っ張る1番の星兼太(3年)が、コールドを決める中前適時打を放った。

 日本文理の強力打線が攻撃の手を緩めなかった。5回、1年生で4番を務める川村啓真捕手の右前適時打など5安打を集中し、打者10人の猛攻で一挙6点を先制。主導権を握ると、6-0の8回には、星の中前適時打でコールド勝ちを決めた。星は「最後まで気持ちを切らさず、ここぞ、というときに出す」という一撃だった。

 自慢の打線は、ここ3戦連続でコールド勝ち。4試合で46安打、35得点をたたき出す攻撃力だ。大井道夫監督(73)は11安打での勝利に、「ウチの野球は簡単。打てば勝てて、打たなければ負ける」と淡々と話した。

 1、2年生が主軸を打つ若い打線を、3年生の星が1番でけん引する。大井監督は「星が出塁して、チームを活気づけなければいけない」と信頼を寄せる。見附中時代は長岡東シニアに所属。全日本選抜メンバーに選ばれ、全米選手権準優勝の経験がある。夏の甲子園にも1年から主力で2年連続出場。「3年生で甲子園に行かなければ、意味がない。試合を戦っていくにつれて、気持ちがひとつになってきた」と、好感触を得ている。

 右ひじを故障していたエースの八幡竜(3年)が今大会、初登板初先発。5回を投げ2安打、無失点に抑えた。星は「勇気が出る投球だった」とエースの復帰は心強い限り。第6シードと伏兵の存在だったが、ここにきて投打にピッチを上げてきた。3連覇へあと2勝に迫った。【涌井幹雄】