木更津総合(千葉)が延長13回の末、常総学院(茨城)にサヨナラ勝ちし初優勝を飾った。「元エース」三石和季投手(2年)が3番手で救援し4回1/3を5安打1失点。打っては13回裏1死二、三塁で放った二ゴロが相手二塁手の失策を誘い、サヨナラを呼び込んだ。4度追い付く粘りを見せ2年連続3度目のセンバツ出場を確実にした。同校は13日開幕の明治神宮大会(神宮、5日間)に初出場する。

 「背番号13」の木更津総合・三石が2年越しの笑顔を見せた。9回途中から救援。直球は130キロ台ながら丁寧にコースを突き、再三のピンチを乗り切った。「今までやってきたこと全てを出そうと思いました」。昨秋決勝の浦和学院戦は先発も3回6失点で降板。リベンジを果たした。

 1年秋に「背番号1」を背負ったが、故障や不調が続き、エースナンバーは手元を離れた。今夏はベンチにも入れなかったが、自主練習で黙々とタイヤを引っ張り下半身を強化した。打っては13回裏にサヨナラ敵失を呼ぶ二ゴロを放ち「決めてやろうと思っていました」と右腕は拳を握った。

 エース早川隆久(2年)、2番手の武田大慶(同)はブルペン入りもせず、先発した大熊啓夢(同)、和田崇太郎(同)、三石ら3番手以降の3投手で決勝を制した。五島卓道監督(61)は「このチームで新しい歴史を作りたかった。レベルアップを図る上で、3人はよく投げてくれた」と投手陣の底上げと初優勝を喜んだ。【和田美保】