秋田修英は3-2で第3シード秋田中央を振り切り、2年連続の3回戦進出を決めた。序盤の3点に絡んだ1番土田健太主将(3年)が、7回裏の遊撃守備で両ふくらはぎを痛めて途中交代。初戦で本塁打も放った主軸の戦線離脱に暗雲が漂ったが、チーム一丸で乗り切った。

 7回裏1死。相手3番の遊ゴロを正面で処理しようとした土田主将が前のめりで崩れた。肉離れも危ぶまれる、ふくらはぎのけいれん。兆候は6回からあったが、本人の希望で強行出場。だが7回表の打席は満足に走れない状態だった。初回と3回に内野安打で出塁。先制と3点目のホームを踏んだ。先発6人が2年生の若い布陣の中、精神的支柱になって引っ張ってきた。勝利の瞬間をベンチで見守った土田主将は「結局、みんなの足を引っ張ってしまった。つらいです。でも仲間を信じていました」と頬を緩めた。

 エース戸沢慎太郎(3年)も踏ん張った。1点リードの9回裏2死二塁、相手2番を空振り三振に仕留めてガッツポーズを決めた。今春、松蔭大に進学し、6月に交通事故で亡くなった先輩・飯塚海翔さん(享年18)の遺影を帽子の裏に忍ばせ、心の支えにして窮地を乗り切った。土田主将に代わって途中出場した1年生松橋稜も活躍。秋田経法大付(現明桜)で過去7度の甲子園(夏4、春3)に導いた鈴木寿宝(ひとし)監督(52)は「優勝する気でやっています」と力を込めた。【佐々木雄高】