花咲徳栄(埼玉)の左腕エース高橋昂也投手(3年)の快投が止まらない。前日23日の6回参考パーフェクトに続き、この日は6回を無安打無失点に抑えた。11三振を奪い、2日で12イニング25奪三振無安打の快投にも、本人は「三振は『取れたらいいな』くらい。記録は気にせず勝利のために戦いました」と、淡々と話した。

 5回までをパーフェクトに抑えたが、6回裏先頭打者に四球を許した。左腕の快投を見に集まった観客からはどよめきが起こったが、本人は落ち着いていた。次打者のカウント1-1から、一塁へ絶妙なけん制。盗塁に焦る走者を飛び出させて、二塁で憤死させた。前日の試合後、岩井隆監督(46)は「走者を背負ってから、どう対応するのか見てみたい」と話していたが「落ち着いて対応できていたね」と賛辞を贈った。

 中1日で臨む春日部共栄との準決勝について高橋昂は「ボールの感覚を忘れないようにしたい」。偉業を成し遂げたとは思えない控えめな発言だが、その裏には甲子園への強い思いが燃えている。【杉山理紗】