明治神宮野球大会の開会式が10日、東京・明治神宮会館で行われた。静岡の左腕エース池谷蒼大(2年)は、早実(東京)の清宮幸太郎主将(2年)の第一印象について「そんなに圧力は感じませんでした」。高校通算75本塁打を誇る怪物にも気後れせず、ほどよい緊張感で大会を迎えられそうだ。

 開会式で、静岡は早実と隣り合わせになった。早実の先頭は主将の清宮。当然ながら注目度はNO・1だが、池谷はいつも通り冷静だった。

 「同じ高校2年生。それほど圧力は感じませんでした」

 試合でも、「いつも通り」の感覚で清宮と対するつもりだ。

 「配球は森(康太朗捕手=2年)に任せています。実際の打席でのイメージや自分の球のキレなど、その時の状態次第だと思います」

 森も「映像は見ました。しっかりと勝負します」と話した。

 早実は東京大会決勝で日大三を8-6の劇的なサヨナラで破った。一方で、清宮は5打席連続三振と日大三の桜井周人投手(2年)に封じ込まれた。桜井は最速144キロの直球とスライダーが武器の本格派左腕。池谷も最速144キロでスライダーが得意と、ほぼ同タイプの左腕となるだけに、低めのスライダーを軸とした「怪物対策」は大いに参考になりそうだ。

 この日も大勢の報道陣に囲まれた清宮は、静岡の印象を問われると、ニヤリとした。「エースは左投手。対策? あまり言いたくないですが、三振しないようにしたいですね」。日大三戦のような失態を回避すべく、左対策を講じている様子もうかがわせた。

 池谷だけでなく、静高ナインはみな「怪物」の雰囲気にものまれていなかった。今日11日は神宮球場で試合観戦後に調整。優勝を目指し、初戦の早実戦に備える。【鈴木正章】