春季高校野球北信越大会(3日開幕=ハードオフ新潟ほか)の公式練習が1日、行われた。初戦で啓新(福井1位)と対戦する関根学園(新潟3位)は、トップバッターでハードオフスタジアム新潟に登場。1時間の割り当て時間を守備練習に費やした。190センチのパワーヒッター荒井颯太(そうた)右翼手(3年)は県大会後に腰痛に見舞われたが、右翼の位置ではつらつとボールを追った。

 クッションボールの処理の確認を行うなど、荒井は本番の会場で守備練習を終えた。痛み止めのクスリを飲んでプレーしているが、軽快な走りには故障の跡を少しも感じさせない。クリーンアップの一角を担う強打者は、右翼の位置で練習を繰り広げながら打撃のイメージもふくらませていた。「結果を残さなければいけない。思い切り、やりたい」。

 県大会では2本の本塁打をマークしている。2回戦の見附戦と4回戦の白根戦で、ともに柏崎市佐藤池球場で放った。もちろん、北信越大会の主会場・ハードオフスタジアム新潟でも大きな1発を狙っている。「(本塁打を)打ちたい」と言う。安川斉監督(57)は「荒井は県大会で自信をつけた感じ」と話した。

 昨秋はエースナンバーの1をつけていたが、今年は右翼手として打撃に専念する。「昨秋の北信越大会(日本航空石川に1-6)では、自分らしい打撃ができなかった」。そう話すだけに、今春の北信越は不完全燃焼だった昨秋のモヤモヤを晴らす舞台にもなる。

 実は、荒井は県大会後に腰痛に見舞われていた。約1週間、練習から遠ざかった。安川監督には「僕が北信越に出場するとチームに迷惑がかかる」と訴え、指揮官に、こう切り返されている。「お前が出ないと迷惑がかかるんだ」。チームにとって不可欠の主砲が190センチの長距離打者。「対戦校に名前負けしない」と、打席では相手投手をのみ込む構えだった。【涌井幹雄】