函館大有斗は4番西田健人(2年)の今大会初安打が決勝打となり、6年ぶりの決勝進出を果たした。

 主砲のバットがようやく火を噴いた。0-1の5回2死一、二塁。函館大有斗の西田がフルスイングした打球は右中間を真っ二つに破った。逆転の2点適時打。今大会3戦目、13打席目での初安打が、大事な場面で出た。「開き直って思い切り振った。ホッとしてます」と胸をなで下ろした。

 今春から4番に座る。函館地区大会では打率4割も、全道では「タイミングが合わず力みもあった」と苦戦した。宿舎近くの食堂で大好きなチャーハン大盛り2皿に、ざるそば大盛りをやけ食いしリフレッシュ。練習では開き気味だったフォームを修正、コンパクトに振ることを意識した。

 片口伸之監督(37)やナインからは「お前だけ打ってないぞ」といじられたが、それは信頼の裏返し。指揮官は「練習では良い打撃」と、4番として自信を持って送り出している。優勝した11年以来、6年ぶりの決勝に向け主砲は「勝ちにいきます」と力強く言い切った。【西塚祐司】