東北6県のトップを切って、第99回全国高校野球選手権青森大会(7月13日開幕)福島大会(同7日開幕)の組み合わせ抽選会が21日、青森市内と郡山市内で行われた。今夏から準々決勝以上が弘前市運動公園野球場(はるか夢球場)で行われる青森は、弘前学院聖愛が地元の利を生かし、4年ぶり2度目のVを目指す。

 エースで主将の山口大成(3年)の右腕が、絶好の「場所」を引き当てた。今夏から弘前のはるか夢球場で準々決勝以降が行われるが、抽選後の常任理事会で聖愛が入るDブロックが同球場で開催されることに決まり、初戦から決勝までの6試合すべてを地元で戦えるようになった。

 弘前で決勝が行われるのは、1県1校となった1978年(昭53)以降では初。しかも、はるか夢球場は今大会で使用する4会場中、唯一の人工芝。そこでずっと戦えるメリットは計り知れない。山口は「地元の人たちに夢や希望や勇気を与えられるよう、全力プレーで挑みたい」と意気込んだ。

 8強入りを果たした今春の東北大会で山口は、下手から繰り出す110キロ台の遅球で、盛岡大付の強力打線を8回無失点に抑え、自信を深めた。西武牧田の動画を見て参考にしている。「自分の球に自信を持って投げることが大切。投球間隔のテンポの速さも参考にしています」とイメージをふくらませた。

 聖愛は13年夏の甲子園で初出場初勝利。青森県勢としては、68年に太田幸司を擁した三沢以来の快挙だった。翌69年には決勝再試合のドラマを演じた太田氏が今月28日、はるか夢球場で行われる楽天-オリックス戦で始球式を務める。観戦予定の山口は「生で見たことはありませんが青森の大投手。マウンド上でのオーラを少しでも感じ取りたい」と話した。地の利、天の時を生かし、聖地を目指す。